西海が舞台の小説出版 佐世保のものまね芸人 剣持さん

原画とチラシを持って小説をPRする剣持さん=佐世保市内

 長崎県佐世保市在住のものまね芸人、剣持光さん(43)=ペンネーム=が、1985年の西海町(現西海市)を舞台に、中学生たちが謎の組織と戦う冒険ミステリー小説「ガラ☆クタ」を11月に出版する。新型コロナウイルス禍で空いた時間を執筆に当て、約1カ月で書き上げた意欲作だ。

 剣持さんは佐世保市出身。映画好きで県立川棚高を卒業後、神奈川県の日本映画学校に進学。雑誌編集や映像制作などを経て36歳の時、ものまねタレントに転身した。東京の芸能プロダクションに所属しテレビやラジオに出演。2018年に独立し、今年9月、佐世保に戻ってきた。
 小説のアイデアは10年前から温めていた。「ミステリアスな雰囲気を持っている」からと西海市を舞台にし、「明るく元気だった」80年代に時代設定した。架空の町「神(じん)の浦」に住む内気だが科学知識はピカ一の少年、里中健太(通称ガラクタ)が、謎の組織から追われる少女を助ける中で、友情や愛情を知り成長する冒険物語。同時に、百年前に残された暗号の謎も解き明かしていく。
 自ら出版事業所を立ち上げることにより費用を抑えた。挿絵のキャラクターデザインや装丁なども自分で手掛けている。剣持さんは「コロナ禍で何かと暗い話題が多いが、この本を読んで少しでも明るい気持ちになってほしい。大人にこそ読んでもらって、童心を思い出してもらいたい」と笑顔で語った。
 11月28日発売。215ページで1210円。長崎市尾上町のメトロ書店で購入できる。12月からはインターネット通販大手アマゾンでも購入可能。発売日の午前11時から同書店で出版トークショーとサイン会がある。先着10人にその場で主人公のイラストを描いてプレゼントする。問い合わせは同書店(電095.821.5400)。

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