神奈川県内の自殺者数が夏以降、増加傾向にあることが分かった。年代別では、20代の若年層が増加。県は新型コロナウイルス感染症の拡大による生活環境の変化などが影響した可能性があるとし、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談体制の強化などに取り組む。
23日の県議会決算特別委員会で、県が明らかにした。県によると、県内の自殺者数の暫定値は、8月は109人(前年同月比33人増)、9月は97人(同22人増)。1~7月までは前年比で減少が続いていたという。
9月の自殺者数で見ると、年代別では20代22人、40代21人、50代18人の順で多かった。性別では、男性は68人(同16人増)、女性は29人(同6人増)となった。
2019年の県内の自殺者数は1076人で、バブル崩壊後の不況で自殺者が急増した1998年以降、最少だった。厚生労働省や警察庁の統計によると、全国の自殺者は7月以降、3カ月連続で前年同月より増えている。
県は「要因の詳しい分析はこれからだが、外出の自粛や生活環境の変化といった新型コロナウイルスの影響でストレスがたまりやすくなっている」と指摘。「悩みをため込まずに相談してほしい」と呼び掛けている。若年層向けに無料通信アプリLINE(ライン)を活用した相談支援事業「いのちのほっとライン@かながわ」などを推進していくほか、ハローワークや大学との連携も進める。
同委で自民党の大村悠氏が取り上げた。