「議員としての自覚がない」コロナ注意報発令下、大人数で懇親会 沖縄県議クラスター

 自民会派の県議団の感染が10人に上り、クラスター(感染者集団)認定された。同議員団18人は18日から21日にかけて与那国町と石垣市、宮古島市を視察し現地で開いた懇親会には首長ら行政幹部や地元議員らも参加、連日20人を超えていた。宮古・八重山地域では新型コロナ感染が急拡大しており、県は16日付で両地域の病床確保に関する「医療フェーズ」を最高段階の「5」に引き上げた。防止策徹底を呼び掛ける注意報も14日に宮古島市を対象に発令している。県民からは「議員としての自覚がない」など批判の声が上がった。

 【宮古・八重山】20日夜、宮古島市平良西里の飲食店で開かれた懇親会には自民会派の県議団18人と長濱政治副市長、宮古島商工会議所の下地義治会頭、地元の保守系市議が少なくとも6人参加していた。県議団と地元側がそれぞれあいさつし、飲食しながら言葉を交わした。出席した山里雅彦議長は店内での状況について「店は貸し切りだった。隣席との距離も取っていた」と説明する。

 長濱副市長や出席した市議によると懇親会は午後6時半から8時半ごろまで行われた。オトーリについては「回していない」と声をそろえた。飲食店での1次会終了後に県議と市議の複数人が2次会で付近のラウンジに流れたという。

 宮古島市内では10月に入って23日までに39人の新型コロナ感染が確認され、市内平良西里・下里地域の酒類を提供する飲食店に関連する感染者が続出している。県は14日に宮古島市を対象にコロナ感染注意報を出しており、同日には下地敏彦市長も会見で飲み会や会合は少人数、短時間にすることや深夜まで飲み歩かないなど防止策の徹底を呼び掛けていた。

 参加した市議の一人は「この状況にあるのになぜこんな大人数で島に来るのかとは思った。われわれも自重すべきだが、一方で島のために来てくれる人をむげにはできない」と心情を明かした。

 県議団18人は18日に与那国町、19日には石垣市で懇親会を開いた。石垣市では市内の居酒屋で自民会派市議4人や川満誠一副市長が参加。広いフロアの居酒屋を貸し切り、2時間ほど懇親を深め2次会に流れたという。出席者によるとスナックでの2次会には県議団の3分の1程度が参加し、地元からは市議2人と副市長が同行した。1時間程度で終了したという。中山義隆市長は出張で石垣島を離れていた。

 与那国町では外間守吉町長や町議4人と約2時間にわたって懇親会を開いた。出席した町議によるとマスクは外していたという。県議4~5人が町議2人とスナックに場所を移し、1時間ほど過ごしたという。

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