本物そっくりの鉛筆画 横浜駅東口で吉村芳生さん回顧展

「『誰も描いていないものを描きたい』と話していた」と芳生さんの思い出を語る春美さん=そごう美術館

 本物そっくりの鉛筆画で見る人を驚かせる画家、吉村芳生さんの回顧展「吉村芳生 超絶技巧を超えて」が24日、横浜駅東口のそごう美術館で始まる。同館と神奈川新聞社の主催。前日に会場を訪れた妻の春美さん(58)は「白黒からカラフルな花の世界へと、エンターテインメント性を感じて楽しんでほしい」と来場を呼び掛けた。

 日常の風景を描いた初期のモノクロ作品から、生き生きとした花の姿を色鉛筆で鮮やかに捉えた晩年のカラー作品まで、2013年に病のため63歳で亡くなった吉村さんが精魂込めて描いた約60点が並ぶ。

 7メートルを超える画面にフジの花を精緻に描いた「無数の輝く生命に捧ぐ」は、東日本大震災をきっかけに制作された。花の一つ一つを亡くなった人の魂と考えていたという。

 12月6日まで。一般1100円、高校・大学生900円、中学生以下無料。問い合わせは同館、電話045(465)5515。

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