アフターコロナの「新しい飲み会様式」。住宅メーカーと飲食チェーンが連携してオンライン慰労会を開催

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 コロナ禍で生まれた新しい文化の一つが「オンライン飲み会」だ。株式会社リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が首都圏、関西圏、東海圏に住む20~60代の1万186人を対象に行った消費者アンケートによると、2020年6月までのオンライン飲み会・食事会参加経験者は18.3%。20代女性が最も多く40.1%、次いで20代男性が38.5%と、年代が若いほど参加経験のある人が多いことが分かった。また、 オンライン飲み会の相手としては、全体で「友人・知人」が48.3%と最も多く、「趣味・サークル関係」が25.0%、「職場・社内関係(オフィシャルな行事以外)」が22.5%となっている。

 女性は友人や知人、男性は比較的、仕事関係での参加が多いという傾向があるようだ。オンライン飲み会は果たして、これから先も「新しい飲み会様式」として定着するのだろうか。

 オンライン飲み会には、賛否両論がある。

 オンライン飲み会に否定的な意見として多いのは、やはりリアルでのコミュニケーションに比べて会話がしにくいことがあるようだ。また、いくら気安い友人と言えども、自宅で他の家族の目もある前では、店で話すように羽目を外しにくい。また、「終わり方が難しい」や「酒や料理を楽しみにくい」といった意見もあるようだ。一方、ポジティブな意見としては、自宅で時間を気にせずに気軽に飲めることや、安上がりで経済的に飲めるといったもののほか、普段はなかなか会えない、離れたところで暮らす相手とも楽しい時間を共有できることに良さを感じている人も多いようだ。実際、コロナ禍で帰省などを自粛している中では、離れて暮らす両親や親族、同級生などとも、オンライン飲み会ならば繋がることができる。緊急事態宣言下の4月、5月に比べて、オンライン飲み会が開催される機会は減少傾向にあるものの、この先、年末年始の忘年会、新年会シーズンにかけて、また盛り上がるかもしれない。

 とくに企業の社員交流にはオンライン飲み会は有効な手段の一つだろう。緊急事態宣言が解除され、Go Toキャンペーンなども開始されたことで、世間ではアフターコロナの雰囲気が漂い始めてはいるが、未だに感染者は拡大しており、ワクチンも開発途上だ。交流会や慰労会、忘年会、新年会などを開催して、万が一クラスターが発生してしまったら、企業活動の存続にも関わる事態に陥る可能性もある。未だに、社員同士の飲み会や集会を規制している企業も少なくない。

 そんな中、面白い試みをする企業が現われた。

 木造注文住宅メーカーのアキュラホームは9月29日、全国に164店舗を展開する飲食チェーン大手の株式会社木曽路〈8160〉 と連携し、ウィズコロナ時代の新たな取り組みとして全国12ヶ所の会場をオンラインでつなぐ100人規模の社内優秀成績者慰労会を開催した。

 同慰労会は、これまで同社が半期に一度開催していた優秀成績者への慰労会のオンライン版で、オンラインと少人数のオフラインを組み合わせて行われた。全国に支店があるアキュラホームの社員が、同じく全国にチェーン店を展開する木曽路の最寄りの店舗12ヶ所に集まり、さらには全国各店舗をオンラインでつないで自由に会話が行えるようにすることで、参加者全員がリアルに集う飲み会のようなコミュニケーションを実現。同時刻に同じ飲物、同じ食べ物を楽しみ、クイズ大会などの余興も用意することで、リアルの飲み会に近いコミュニケーションが図れる演出も面白い。

 しかも、オンライン慰労会のメリットは企業にとっても大きかったようだ。同社ではこれまで、都内のホテル宴会場などを借り、全国から対象者を集めて開催していたが、オンライン開催に切り替えたことで、移動費や宿泊費などの経費が削減できた。全体で約400万円程度もの経費削減が見込めるという。

 コロナ禍で大きな打撃を受けている飲食業にとっても、このような企業の新しい利用方法は歓迎されるのではないだろうか。オンラインならば、日本全国はもちろん、海外の社員とも気軽につながることができる。会社行事ならば「終わり方」を気にする必要もないし、飲食店と連携すれば美味しいお酒と料理も楽しめる。こんなオンライン飲み会なら、コロナ禍が過ぎ去った後も「新しい飲み会様式」として定着するかもしれない。(編集担当:藤原伊織)

オンライン慰労会のメリットは企業にとっても大きかったようだ