MotoGP:中上貴晶が最高峰クラスでポールポジション獲得。日本人ライダーとしては16年ぶりの快挙/第12戦テルエルGP

 MotoGP第12戦テルエルGPの予選がスペインのモーターランド・アラゴンで行われ、MotoGPクラスは中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が、最高峰クラスでは初となるポールポジションを獲得した。

 フリー走行3回目は、気温16度、路面温度17度のドライコンディションで行われた。セッション序盤はファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がトップタイムをマーク。開始10分過ぎにはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が1番手タイムを記録して、セッションの序盤はペトロナス・ヤマハSRTのふたりがかわるがわるトップにつける。

 開始20分を過ぎて、クアルタラロが再びトップに浮上。その後、残り15分で初日総合トップの中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)がクアルタラロのトップタイムから0.009秒差の2番手タイムをマーク。中上はその翌周にもタイムを削ってトップに浮上した。

 残り時間が5分を切るころになると、予選Q2へのダイレクト進出を目指すアタックが始まった。次々と自己ベストを更新するライダーたち。しかし、トップ3のタイムには届かない。中上がトップをキープするなか、モルビデリが最後のアタックで1分47秒333を記録。最後の最後でトップに立った。

 モルビデリはこのタイムでフリー走行3回目を制した。2番手は中上で、中盤に暫定トップタイムを記録したのち、タイムを更新しなかった。3番手はクアルタラロで4番手にはビニャーレス、5番手はアレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)で、トップ5はヤマハ勢とホンダ勢が分け合った。

 躍進を見せたのは6番手のイケル・レクオーナ(レッドブルKTMテック3)。チームメイトのミゲール・オリベイラも8番手に入った。前戦ウイナーのアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)は7番手。ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)は10番手で、かろうじて予選Q2へのダイレクト進出を決めた。

 初日に続き、フリー走行3回目でもドゥカティ勢は奮わず、すべてのドゥカティライダーが11番手以下にとどまった。アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)は14番手に終わっている。

 フリー走行4回目ではビニャーレスがトップ。中上は2番手につけ、安定したペースを刻んだ。3番手はミル、4番手はポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)、5番手はアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)だった。

■予選で中上がポールポジションを獲得

 予選Q1は気温22度、路面温度31度にまで上昇した。Q1から予選に挑むのはドヴィツィオーゾやジャック・ミラー(プラマック・レーシング)、P.エスパルガロなどの面々である。

 セッション前半のアタックでは、ミラーどP.エスパルガロが1番手と2番手につける。そして残り時間5分からの後半のアタックでは、まずブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が4番手に浮上。続いてP.エスパルガロがタイムを更新するが、ミラーのトップタイムには届かず2番手タイムにとどまる。

 しかし、P.エスパルガロはさらに翌周にもタイムを刻んでいく。P.エスパルガロは1分47秒701を記録し、ついにトップに浮上した。

 チェッカーが振られた後の最後のアタックでは、A.エスパルガロが2番手タイムをマーク。しかし直後にヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)がそのタイムを更新して2番手に浮上した。最終的にP.エスパルガロとザルコがQ2進出を果たし、ザルコはQ2に進んだ唯一のドゥカティ勢となった。チャンピオンシップでランキング4番手につけるドヴィツィオーゾは7番手に終わり、17番手から決勝レースを迎える。

 続いて始まったQ2では、セッション前半にビニャーレスがトップ、中上が2番手タイムをマーク。ここまでのセッションで波に乗る中上はさらにその翌周のアタックで1分47秒072を叩き出し、トップに立った。2番手にはモルビデリ、3番手にはザルコがつけて、各ライダーは後半のアタックに向けてピットイン。

 後半のアタックでは、ビニャーレスがタイムを更新するものの、4番手。そんななか、中上は最後のアタックで1分46秒882を叩き出した。このタイムを誰も更新できず、中上がポールポジションを獲得。最高峰クラスで初のポールポジションを獲得した。

 自身としてはMoto2クラスで2017年第15戦日本GP以来のポールシッターとなった。また日本人ライダーのポールポジション獲得は、2004年第16戦バレンシアGPで玉田誠(Camel Honda)が獲得して以来、16年ぶりの快挙となる。

 2番手には、最後のアタックでタイムを更新したモルビデリ。中上に0.063秒差の2番手だった。3番手は前戦ウイナーのリンス。4番手はビニャーレスで、5番手にはザルコが食い込んだ。また、クアルタラロは2列目6番グリッド、ミルは4列目12番グリッドから決勝レースを迎える。

2020年MotoGP第12戦テルエルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が予選ポールポジションを獲得
2020年MotoGP第12戦テルエルGP 中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)
2020年MotoGP第12戦テルエルGP ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)

© 株式会社三栄