122種の植物が絶滅 神奈川県、14年ぶりにレッドリスト更新

絶滅危惧種とされたカタシャジクモ(県提供)

 県は16日、県内で絶滅の恐れのある野生生物をまとめた「レッドリスト」の植物編を公表した。前回2006年の作成から14年ぶりの更新で、122種の絶滅が確認された。県として初めて調査した藻類では、和名に「箱根」の名前がつくシャジクモなどが絶滅していた。

 学識者らによる選定・評価委員会が17年から、県内の維管束植物、コケ植物、藻類、菌類を対象に調査。前回は対象としなかった藻類も専門家が加わって評価した。

 絶滅が確認されたのは、維管束植物118種、コケ植物2種、藻類2種で、藻類は芦ノ湖(箱根町)に分布していたハコネシャジクモと、ホシツリモの絶滅を確認。いずれもシャジクモ科に属する大型の藻で、ハコネシャジクモは1960年代、ホシツリモは70年代が最後の確認になっていた。藻類の評価は水質の悪化を測る上でも重要で、絶滅理由は今後明らかにしていきたいという。

 ハコネシャジクモは環境省調査では既に絶滅が確認されていた。

 絶滅危惧種は730種で、維管束植物614種、コケ植物47種、藻類11種、菌類58種。06年のリストでは、絶滅が141種、絶滅危惧種544種だった。

 県の担当者は「県内の貴重な植物の現状を理解してもらい、自然環境を保全するために活用してほしい」としている。

 リストは県のホームページからダウンロードするか、送料210円分の切手と住所、氏名、リストを希望する旨を明記して郵送で自然環境保全課に請求すれば入手できる。来年度には詳しい説明を加えたレッドデータブックを発行する予定。

© 株式会社神奈川新聞社