「困ったときは助け合い」 豪雨被災・熊本に支援物資届ける 諫早「有明支縁会」

支援物資の冬物衣類を手にする被災者=熊本県球磨村(有明支縁会提供)

 「困ったときは助け合い、支え合い」。災害被災地の復興支援活動に取り組む長崎県諫早市のNPO法人「有明支縁会」(草野紀視子理事長)は、7月の豪雨で甚大な被害が出た熊本県内に支援物資を届ける活動を続けている。17、18両日は球磨村の集会所で冬物衣類を配った。草野理事長は「長崎からも支えていくというメッセージを被災した方々に伝え、少しでも力になりたい」と思いを語る。
 有明支縁会は2016年の熊本地震を契機に発足した。これまで18年の西日本豪雨など全国各地で災害ボランティアとして活動している。今年7月、熊本を中心に被害が出た豪雨では災害発生直後に現地入りし、マスクやTシャツなどを配布した。現地では新型コロナウイルスの感染予防対策として復旧作業などのボランティア活動が制限されているため、その後も順次、マスクや衣類のほか、家電製品などの生活物資を球磨村や人吉市、八代市などに運んでいる。その数は10回を超えた。

涙ぐみ感謝

 17、18日は球磨村に入り、仮設住宅で生活する被災者らに冬物の衣類を配布した。支援物資募集の呼び掛けで集まった衣類は2トントラック1台分。集会所に集まった被災者約250人が、並べられた冬物の衣類を自由に選んで持ち帰った。
 草野理事長は「被災地はまだ課題が山積している」と声を上げる。仮設住宅暮らしを余儀なくされ、分断された地域コミュニティーの問題をはじめ、これから到来する冬シーズンへの備えも万全とは言えない。
 同会は、今後も継続して球磨村以外の被災地にも支援物資を運ぶ予定。「今回、衣類を受け取った被災者の中には、涙ぐみながら感謝してくれる人がいた。『(生活用品が)みんな流されてしまった』と寂しそうに語る人もいた」。草野理事長は被災者の心中に思いをはせながら、こう続けた。「その人たちのために、私たちができることはきっとあるはず。そう思って、長崎から、できる限りのことをしていきたい」

 冬物を募集

 同会はこたつなどの暖房器具やゴム付きのズボン、冬物の上着などといった支援物資を随時募集している。大型の家電製品に限り受け取りにいく場合もある。送り先は「〒854-0054、諫早市小ケ倉町51、一般社団法人長崎国際・長崎国際ゴルフ倶楽部気付、NPO法人有明支縁会・草野紀視子宛」。問い合わせは草野理事長(電090.2506.0813)。

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