核兵器禁止条約1月発効 長崎の被爆者ら歓喜の声

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集会で「命の限り、核兵器も戦争もない世界に向けて歩み続ける」と決意を新たにした田中共同代表=長崎市、平和公園

 「生きていてよかった」。核兵器禁止条約の批准国・地域数が、発効に必要な50に到達したことに、被爆地長崎では25日、喜びの声が上がった。一方、核保有国や、米国の“核の傘”にある日本政府は条約不参加の姿勢を崩しておらず、核廃絶実現は道半ば。「これからが本番」「命の限り核廃絶を」。被爆者らは決意を新たにした。
 全ての国・地域に条約批准などを求める「ヒバクシャ国際署名」に取り組んできた県民の会は平和公園で集会を開催。被爆者や高校生ら約200人が参加し、晴れやかな表情で横断幕を広げた。
 「私たち被爆者が生きていてよかったと、喜びを分かち合う日を迎えた」。長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)会長で、県民の会の田中重光共同代表(79)は興奮気味にマイクを握った。日本政府には「核廃絶の運動に立つべきだ」として批准を改めて要求。「再び被爆者を生み出すことがないよう、命の限り、核兵器も戦争もない世界に向けて歩み続ける」と誓った。
 県平和運動センター被爆連の川野浩一議長(80)も喜びをかみしめつつ、「条約が発効したからといって核兵器がなくなるわけではない。私たち被爆者の役割はまだ終わってない。これからが本番だ」。第23代高校生平和大使の一人で、鎮西学院高2年の大澤新之介さん(17)は「平和大使の活動目標は核兵器廃絶。条約発効は活動を後押しする力になる。被爆者の高齢化が進む中、私たち若い世代が(被爆者の意思を)受け継いでいきたい」と決意を新たにした。
 集会が始まる間際に平和公園を通り掛かった長崎市出身の高校生、田村顕志朗さん(17)=福岡市=は、ニュースで条約発効決定を知った。「核兵器をなくすのは難しいことだと思うが、少しずつなら減らしていけるはず。これからの社会の動きを(関心を持って)見たい」。隣接する爆心地公園を3歳の娘と散歩していた30代女性は「(被爆者の)祖父母や(被爆2世の)母も、原爆で大変な目に遭ってきた。娘にとっても、平和に過ごしていくために、条約が発効するのはうれしい」と話した。