任期満了に伴う神奈川県箱根町長選は25日投開票され、新人で元副町長の勝俣浩行氏(66)が、新人で飲食店経営の田村洋一氏(55)を破り、初当選を果たした。20年ぶりの新人同士の争いは、195票差の接戦となった。有権者の関心が高まり、投票率は63.46%と前回を27.64ポイントも上回った。
町では副町長(旧助役)が町長に就任するケースが56年間続いており、引き続き行政出身者が町政のかじ取り役を担うことになった。
新型コロナウイルスで打撃を受けた町内の観光業の振興に加え、少子化対策や町財政改革、防災力強化が争点となった。
現職の山口昇士町長の後継指名を受けた勝俣氏は「町民の生活あっての観光」と強調。行政経験を踏まえ、子育て支援や医療、福祉の充実を掲げた。行財政改革で持続可能なまちづくりを進めるとし、高齢者や女性を中心に支持を集めた。
民間力を生かし「官民の連携強化を」と訴えた田村氏は若い世代の支持を集めたが、わずかに及ばなかった。
当日有権者数は9653人(男4617人、女5036人)。