タイでバイリンガルな子どもを育てる コロナ禍時代の教育移住のありかた

いまだ世界はコロナ禍の現在、海外に教育移住するための事前調査として現地に赴くことは難しいでしょう。そこでタイのバンコクに住む筆者が、実際に現地インターナショナルスクールの学校説明会に参加して、その様子をレポートします。今回は日本人も多く住むスクンビットに位置する「モダン・インターナショナルスクール」にうかがいます。

モダン・インターナショナルスクール

モダン・インターナショナルスクール( )は、バンコク市内の中心地で日本人も多く住むエリア・スクンビットに位置する学校で、3歳から17歳まで(K1からYear.13)までの生徒が学ぶ、インド系のブリティッシュスクールです。理数系やアートのクラスのプログラムが充実しているインター校として有名です。

それでは、実際の設備や、中で学ぶ生徒はどのような様子なのでしょうか。さっそく入ってみましょう。

語学プログラムが充実 来年度からは日本語のクラスも開講

500名程いる在校生のうち、日本人は30名程度で、年々その割合も増えてきているとか。その影響もあり「来年度からは通常授業に日本語の書き言葉を中心にしたクラスも組む予定」(学校スタッフ・Sarikaさん)なのだそうです。

異国で英語のみでのインター校生活、日本語教育がおろそかになりがちなことを懸念されている親御さんも多いのではないでしょうか。「学校のほかに塾や家庭学習で日本語学習のフォローが大変になるのかな」という心配も生まれます。しかしその点、この学校のプログラムは読み書き両面でバイリンガルを目指す日本人にとっては魅力的です。

明るく広々としたキンダークラス

入り口はいってすぐのところにあるのは、3歳から5歳までの子どもたちが学ぶ「キンダークラス」。スクン.ビットエリアなどの都市部に位置するキンダーガーデンの多くは、非常に狭い園庭のことが多いのですが、モダン・インターナショナルスクールの園庭は比較的広く、遊具とゆったりとしたプールが園内に完備されています。

同エリア内のキンダーガーデンを比較検討されている方にとって、好条件の学校といえるでしょう。

食堂ではコロナ対策が万全

withコロナ時代に教育移住を考える方にとっては、実際に学校に通わせるときに、どの程度学校側がコロナ対策を取っているのかは気になるところだと思います。食事や休憩時間はどうしているのだろう?と言う部分も気になっているのではないでしょうか。

インター校の多くは「食育」に対して意識が高く、孤食ではなく会食を重んじている学校がほとんどです。ブリティッシュ系、アメリカン系、オーストラリアン系、ほとんどのインター校で、食事はコミュニケーションと教育の一環として捉えられており、時に教師も会食のメンバーに交え大勢で食卓を囲む「カフェテリアスタイル」を採用しています。

こちらのインター校でも他のインター校同様、カフェテリアがあります。コロナ禍後は、写真のようなついたてを用意して、皆で同じところに集まって食事をしているとのことでした。

好きなことに打ち込める環境 コンピュータールーム・図書館の様子

理数系の教育が熱心と評判の学校で、カリキュラムも工夫がなされているようですが、設備はいったいどうなっているでしょう。学校スタッフの女性に、折り目正しそうな男子生徒さんを紹介していただき、中の様子を一緒に見せてもらいました。素敵なエスコート役の彼に、私の心も弾みます。

バンコクのインター校の中には、生徒一人一人にノート型パソコンを渡している学校もあるので、それと比較すると、設備としてはいたってシンプルです。教室内には整然とデスクトップ環境がならんでいるのですが、生徒に任せられている自由度が高く、この教室は好きなときに好きなだけ時間が過ごせるようです。

教師が受けもつ教室とは違い、さながらここの教室だけ「精神と時の部屋」。案内をしてくれた生徒さんも、目下自習のさなかだったようで、筆者を笑顔で廊下まで案内するとすぐさま机に戻って、熱心にプログラムを書いているようでした。

生徒の知的好奇心にあわせて没頭できる設備と言えば、こちらの学校は図書館も素敵です。自然科学に関する雑誌類が充実しています。奥には何時間でも読書できそうなリラックス空間が確保されており、静謐な空間の入り口には常時司書の先生もいるので、研究家タイプのお子さんには最高の環境と言えるでしょう。

生徒の個性が発揮できるアートクラス(美術・音楽)

さて、中の生徒たちはどんな様子なのでしょう。美術クラスの教室を覗きました。写真(※許可済)を見ていただければ一目瞭然、みんな人懐っこくて、こちらが面食らってしまうほどの明るいテンションです。

うかがう前に思い描いていた「理数系のきっちりした学校」というイメージ+は、コンピュータールームで寡黙に取り組む生徒さんをみるにつけ、まったく崩れることはないのですが、こういったアートのクラスは、本当にリラックスして授業を愉しんでいるようでした。学校生活の中にメリハリがあるのが大変印象的です。

このあと、音楽のクラスにもお邪魔しましたが、ギターや、バイオリン、電子ピアノなどを合奏していて、大変楽しそうな雰囲気でした。多国籍の生徒同士、言語以外でコミュニケーションするのは大変重要だと思うので、個性が発揮され個人が尊重される文化があるのだな、という意味でいい雰囲気を感じました。

1週間のトライアル授業が無料で受けられる

こちらのインター校は1週間のトライアル授業が受けられます。しかしいまだ世界はコロナ禍の現在、日本からおやすみを利用してこの授業のために渡航されるのは、現実的には難しいでしょう。バンコク在住者のご家族で市内の学校から転校を考えている方、バンコクへの渡航が可能な地域に住んでいる方でこの学校にご興味ある方は、実際に授業を受けてみることを検討してはいかがでしょうか。

また、このトライアル制度は通年行われているようなので、日本に住んでいる方も、渡航状況が変わり次第、お子さんと一緒にバンコクに来られるのもよさそうです。ぜひ、学校のSNSなどを通じトライアル授業希望の旨、直接アポイントメントをとってみてください。

これまでの【海外×教育移住】は

© Valed.press