心動かす地域の宝 下田温泉街近く、宿泊客ら続々 「天草夕陽八景」

©株式会社熊本日日新聞社

海と雲の間で染まる夕焼け=9月12日、天草市

 東シナ海の大海原を望む絶景で知られる天草西海岸。その見どころの一つが海に沈む夕日で、秋から冬にかけては特に美しさが際立つ。

 夕日を地域振興につなげようという動きが活発になったのは、ちょうど10年前。県立大の協力を得ながら、熊本県天草市が20カ所の候補地を選出。住民参加のワークショップでの投票などを経て2011年、「天草夕陽[ゆうひ]八景」が誕生した。

 その後、地元の観光関係者が「天草西海岸サンセット協議会」を設立し、11月18日を「天草夕陽の日」に制定。昨年、絶景を観賞しながら音楽を楽しむ「夕陽フェスタ」(11月9~18日)を初めて開催した。

 「夕日は人の心を揺り動かす。地域と経済も動くようPRしていきたい」と藤本貴士会長(46)。夕陽の日制定を提案した同市出身の放送作家、小山薫堂さん(56)も「天草の宝を伝えて」とエールを送る。

 夕陽の日を前に、見どころを写真とともに紹介する。

 天草市天草町の下田温泉。非火山性温泉に分類され、地下の深い場所で温められた地下水が温泉となっているとされる。

 夕日スポットは、夕陽ケ丘と鬼海ケ浦展望所の2カ所があり、どちらも温泉街から車で数分。鬼海ケ浦展望所にはレストラン「天草ブルーガーデン」があり、連日多くの宿泊客らが訪れる。

 眼下には高さ十数メートルの通称「恐ろし瀬」がそびえ、デッキから続く階段からは海岸へ降りることができる。ブルーガーデン店長の永田文明さん(69)は「天気が良いと、長崎県の野母崎も見えますよ」。

 撮影日はあいにくの曇り空だったが、厚い雲の下から夕焼けの層が出現。見物客のシルエットを入れ雰囲気を出した。通年見ることができ、これから冬至(12月21日)までは太陽は写真左(西南)方向へ沈む。(谷川剛)