宿泊施設のキャンセル相次ぐ 弘前/GoTo一転、再び苦境に/コロナ感染急拡大で

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弘前市内のホテルの客室。新型コロナ感染拡大の影響で、宿泊のキャンセルが急増している=25日

 弘前保健所管内で新型コロナウイルスの感染が急速に広がった影響で、青森県弘前市内のホテルや旅館で宿泊予約のキャンセルが相次いでいる。春にコロナ禍で落ち込んだ宿泊需要は、国の観光支援事業「Go To トラベル」などの効果で9月以降は持ち直しの動きがあったものの、一転して再び苦境に。事業者らは「経営に大打撃」と頭を抱えている。

 「ここ数日のキャンセルは、およそ300人分」。同市土手町の「弘前東栄ホテル」には、市内飲食店でのクラスター(感染者集団)発生が判明すると、予約を取り消す連絡が相次いだ。割安料金で宿泊できる県のキャンペーンにも参加しているが、10月分は続々キャンセルに。木村博美フロントマネージャーは「11、12月はもともとお客さまが少ない時期。これからさらに厳しくなるかも」と見通しを語る。

 JR弘前駅に近い「ブロッサムホテル弘前」は、9月後半以降は満室の日もあったが、先週を境に状況が一変した。市旅館ホテル組合の組合長も務める同ホテルの福士圭介代表取締役(47)は「県外から観光に来ても、市内では多くの飲食店が休業中で食事の案内ができない。それが一番つらい」と話す。

 同市元寺町の老舗「石場旅館」も、市内でのスポーツ大会や、東京都内からの大学のゼミ旅行の中止により、予約キャンセルが続いた。23日開幕の予定だった「弘前城菊と紅葉まつり」の中止も影響したという当主の石場創一郎さん(47)は「観光時期の感染拡大はタイミングが悪い。減収を補う制度もなく、経営はとても厳しい」と語った。

 「キャンセルはあるが、その分予約も入っている。ホテルの立地も関係あるのかも」と話すのは同市郊外のホテルの男性支配人(55)。日帰り宴会の予約はほぼなくなったが、県内外からの宿泊予約に今のところ大きい変化はないという。

 シーツ、浴衣、タオルなどをホテルや旅館に貸し出す市内のリネンサプライ業にも影響が及んでいる。市内のある企業によると、大規模クラスター発覚後は県南や下北からの修学旅行がキャンセルになり、宿泊施設側からの受注が急減。ホテルでの宴会も中止が続き、クロスなどの洗浄・洗濯依頼も落ち込んだ。この企業の幹部は「収益は前年同期の6~7割。例年10月はイベントが多く、収益を見込めるはずなのに…」と悩ましげに語った。