【ドラフトあの日、あの時】明石商・水上、念願叶った楽天入り(2019)

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2019年10月17日――。プロ野球ドラフト会議で、明石市立明石商業高校の水上桂捕手が、東北楽天から7巡目指名を受けた。強肩と巧みなインサイドワークが魅力の18歳は、「球界を代表する捕手になりたい」と大きな夢を語った。明石商高から直接NPBの道へ進むのは初のことだった。当日の様子を振り返る。

東北楽天から7位指名を受けた水上桂は、「球界を代表するキャッチャーになる」と抱負を語った(2019年10月17日午後=明石商業高)

水上はプロ野球ドラフト会議が始まった午後5時過ぎに会場に姿を見せた。はじめはリラックスした表情を見せていたが、指名が進むにつれて同級生の名前が次々と呼ばれていくなか、笑顔も少なにテレビ画面を見つめた。開始からおよそ2時間が過ぎ、「選択終了」のアナウンスも聞こえるようになったころ。「東北楽天 水上桂」のアナウンスが流れると、はにかんだような笑顔を見せ、会場に集まったおよそ50人の3年生の野球部員とともに喜びを爆発させた。

その後の記者会見では、「素直にうれしい気持ち。授業中もちょっと(ドラフト会議のことを)考えてしまい、あまり勉強もできないくらい、楽しみにしていた」と明かした水上。楽天の印象は、「(東日本大震災の)被災にも負けず、ファンに勇気を与えた素晴らしいチーム」と語り、「目指すのは、巨人の小林(誠司)選手。バッテリーを組みたいのは、則本(昂大)選手」と具体的な目標を口にした。また、「自分は(172センチと)あまり大きくはないが、フットワークやボールまでの速さなど、小柄でも動けるところを見てほしい」と、東北のファンへ向けて力強くアピールしていた。

(左から)東北楽天から7位指名を受けた水上桂と狭間善徳監督(2019年10月17日午後=明石商業高)

水上は明石商業高で2年時から正捕手に定着。3年時では春夏の甲子園で続けてベスト4に入り、夏の大会2回戦ではバックスクリーンへ本塁打を放った。18歳以下の日本代表に選ばれたことが転機となり、大学進学志望からプロ志望に切り替えた。同校の狭間善徳監督は、「プロに行けるとは思っていなかった。(水上のいいところは)周り、全体がよく見えていること。野球に対する姿勢が人一倍よかった。その積み重ねが結果に現れたのでは」と、この日ばかりは手放しに誉めていた。

ルーキーイヤーは2軍戦で実戦経験を積む水上はまだ19歳。慌てずに実力をつけ、「球界を代表するキャッチャー」に飛躍を遂げることを期待したい。