山の中の和モダンなホテルで気軽に“禅”体験!ホテル編「永平寺 親禅の宿 柏樹関」【福井】

山の中でゆっくり過ごしたいと思い、福井県にある曹洞宗の大本山・永平寺の門前にある「永平寺 親禅の宿 柏樹関」に滞在してきました。昨年オープンした和モダンで快適なホテル空間で、禅体験をできるのが魅力です。体験しなくても、ただ豊かな自然の中に滞在するだけで、心身が癒やされるはず。3回に分けて体験ルポをお届けします。今回は「ホテル編」です。

“禅”の世界を体験できる新発想の宿

福井県にある曹洞宗の大本山・永平寺参道の入口に、2019年7月に開業した「永平寺 親禅の宿 柏樹関(しんぜんのやど はくじゅかん)」。一見したところ、山の中にある和モダンなホテルです。こんな快適な空間で、坐禅、永平寺での朝のおつとめ、写経、精進料理(肉・魚付きの和食もあり)など禅の世界を垣間見ることができるのです。永平寺で研修を受けた“禅コンシェルジュ”が親切に案内してくれますよ。

体験は希望者のみで、興味のあることだけでも良いですし、旅館のように滞在するだけでもOKな気楽さがいいんです。日本で最も厳しいといわれる禅修行が行われる永平寺ですが、こちらの宿は初心者向き。大浴場も備えられ、豊かな自然の中に滞在すると心身が癒やされます。もちろん永平寺参拝時の宿泊にもおすすめです。

JR福井駅からバスで約30分の山奥へ

JR福井駅から京福バス・永平寺ライナー(コロナ禍のため不定)で約30分。永平寺は越前の山奥にあり、冬の雪の中での修行はかなり厳しいことが想像できます。

永平寺門前のバス停から2分ほど歩くと、永平寺の参道の入口に「柏樹関」の看板が見えてきました。奥が宿のようです。9月下旬で、すでに葉が少し赤く色づいていました。

宿に沿って山から永平寺川が流れ、BGMのように、いつもせせらぎが聞こえるのが心地良いです。川まで降りる階段もありますよ。

宿のエントランスには何の表示もないので少し迷いました。こちらが入口です。

40平方メートルのゆとりある客室にはアレクサも!

館内は、永平寺敷地内から切り出した“永平寺杉”を使用した木目を基調としています。ところどころに障子が配された和モダンな空間です。木に囲まれているだけで気持ちが安らぎます。

なんといっても40平方メートルというゆとりある広さが魅力の客室。畳に布団を敷けば4名まで泊まれるそうです。ベッドルームに越前和紙を生かしたアート作品があしらわれ、一見、普通の和モダンなホテルです。

禅コンシェルジュの案内が行き届くようにと、客室は18室にとどめたそうです。窓からは清らかな永平寺川と復元された参道が望めます。

地元、越前焼の洗面台がシックです。昨年開業だけあり、どこもかしこも清潔感にあふれています。

浴衣やバスローブではなく、作務衣(さむえ)というのがこの宿らしい。これを着て坐禅やお風呂など、館内の移動が可能です。パンツの履き心地が良くて自宅用に買っていきたかったのですが、残念ながら販売はしていませんでした。

「アレクサ」搭載のタブレットがあるなんて、びっくり!フロントへの電話もできます。モーニングコールは「アレクサ、7時45分に起こして」とお願いしてみました。しっかり起こしてくれましたよ。清掃にはロボット掃除機を使っていたし、機能は最新ホテル並みです。

落雁の中に餡が入っているオリジナルのお菓子は、特に餡がおいしかった!ショップで販売しています。湯のみも越前焼で、細部に至るまでおもてなしの精神にあふれています。

露天風呂もある!永平寺杉を生かした館内

1Fフロント前にある道場兼多目的室「開也の間(かいやのま)」。永平寺で坐禅が行われない場合は、こちらでできるそうです。筆者もこちらで体験しましたが、それについては3回目の「坐禅編」でご紹介します。

窓の先には小さな日本庭園があります。夜にはライトアップされてきれいです。この部屋では朝から夜までいつでも自由に坐禅を組んで良いそうです。

なんと、男女別の大浴場「香水海」があるんです!露天風呂までついているなんて気が利いていますよね。朝も入浴できます。ストイックな“禅”のイメージとはかけ離れているのが、かえって好感度大!心ゆくまでゆっくりと浸かれますよ。露天風呂では永平寺の鐘の音が聞こえるそうです。

フロント前のショップには、部屋でサービスされた「柏樹関」オリジナルのお菓子やお香をはじめ、永平寺「えい坊館」ブランドの胡麻豆腐、味噌、コーヒーのほか、若狭塗箸など地元の特産品もありました。こちらでしか買えないレアなお土産が満載です。

隣には禅や永平寺に関する本やパンフレットの置いてある「禅ライブラリー」があります。パンフレットは英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語など多くの言語に翻訳され、外国人のニーズが多いことがうかがえます。一杯ずつ淹れるコーヒーマシンもありますよ。

シンプルで清潔感のある食事処「水仙」。こちらで本格的な精進料理をいただけます。肉と魚の付いた普通の和食もあるのでご安心を。詳しくは2回目の「精進料理編」でご紹介しますね。

大自然の中でゆったり過ごせる

夜は建物がライトアップされて、また違った趣です。山の上に月が輝き、旅情緒を彩ってくれます。夕食後に少し宿の周りを散歩すれば、腹ごなしにもなるし、空気は澄んでおいしいし情緒はあるし、いい気分!

参道をそのまま行くと永平寺にたどり着きます。周辺にはあちこちに大木がそびえ、地面を苔が覆い緑に包まれて、山奥に来たことを実感できます。永平寺川沿いを永平寺ダムの前まで散策すると、森林浴にもなるし気持ちがいいですよ。

館内は、ところどころに禅の空間やアイテムがありますが、ほかはホテルと変わりありません。昨年開業して新しいので、清潔感がありモダンなのがとても快適です。かゆいところに手が届くようなポイントを押さえながらも、無駄のないシンプルさが禅らしいといえるでしょうか。

この宿についてはまだまだお伝えしきれないので、今回は宿の紹介のみに留めておきます。ほかの体験については、今後の「精進料理編」「坐禅編」をぜひご覧ください!

永平寺 親禅の宿 柏樹関

住所:福井県吉田郡永平寺町志比6-1

予約:050-3504-9914(9:00~19:00)

問い合わせ:0776-63-1188(9:00~19:00)

URL:https://www.hakujukan-eiheiji.jp/

[All photos by ロザンベール葉]

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