10万円超えスマホでカメラが良い機種はどれ? iPhoneなど人気6モデルを一斉比較!

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常に持ち歩き、普段使いの “デジタルカメラ” として多くの方が活用するスマートフォンのカメラ機能。いまやスマートフォンを選ぶ時の最重要項目といっても過言ではない。

そんなスマーフォトフォンのカメラ機能に求められているのは、カメラの知識がなくても、キレイに、雰囲気のある写真が撮れること。それが理想であり、知識をベースに、機材を使いこなし撮影に臨むデジタルカメラの世界とは決定的に違う点だ。

そのため、スマートフォンのカメラ機能は、デジタルカメラと比べ、自動化、AI化をいっそう進める必要があり、技術的にもより高いハードルが求められている。

今回テストした6機種は、いずれも10万円を超えるモデルであり、カメラ機能についても、各社のこだわりが惜しみなく盛り込まれている。それだけにその機能や画質の差はとても気になるところだろう。

テストでは、基本的に同一被写体を、出荷時設定のまま撮影した結果を比較している。そのため、高画素機については、最高画素での実力もチェックしているが、基本は出荷時設定とした。もちろん、詳細に設定をすれば、よりよく写る可能性もあるが、一般的なユーザーが、日常的に使う際を想定してのチェックといえる。

チェック内容は多義に及ぶが、筆者が普段、自身のテストラボでチェックしているテストチャート(ドイツ・ImageEngineering社製システム)と、自作の実写チャートで比較。さらに、フィールドでの同一条件による実写比較などを行い、総合的に見た結果を紹介していく。

■Model.1:APPLE「iPhone 11 Pro」スマートフォンカメラのベンチマークに相応しい実力

スマートフォンの草分け的存在である「iPhone」。事実上、スマートフォンのカメラ機能を牽引してきたのも、このiPhoneといえるだろう。「iPhone 11 Pro」のカメラ機能は、超広角カメラ、メインカメラ、望遠カメラの3眼式。

いずれも画素数は1200万画素だが、メインカメラのセンサーサイズが大きく、最新の高速センサーを搭載。3つのカメラでの同時撮影や、撮影範囲外までディスプレイ表示するなど、他社にない特徴を備えている。

また、他機種に比べ、超広角カメラの画角が広い点も魅力。iPhone 11になり、これまで弱めだった暗所撮影性能も大幅に改善されている。

画角

解像感

高感度

適度な見栄えと懐の深い絶妙なバランスが本機最大の特徴。どんなシーンでも過不足なく写り、失敗カットが極端に少ないのも大きな魅力だ。解像感は1200万画素の性能を最大限に引き出しており、通常使用で何ら不足を感じない。

むしろ、自然なHDR処理により、とてもダイナミックレンジの広い写りが得られ、白飛びのないとことん階調豊かな写りになる。この点は写真好き、とくに階調を重視するプロやハイアマチュアに好まれる所以といえる。

オートホワイトバランス(AWB)はその場の雰囲気を残すタイプで、屋内撮影や夕景の撮影でも、実に絶妙な色に仕上がる。どんな条件下でも、人物の顔の明るさや色調が自然な点も特筆に値する。

ただ、バランスがよいこともあり、画としてのインパクトは若干弱め。色空間がDisplay P3になっているため、本体で見た時の色と、保存したデータをPCで見た時の色に差がある点は注意が必要だ。

全体的に大きな欠点がなく、どんなシーンでもフルオートのままでバランスのよい仕上がりが得られる点は、今なおスマートフォンカメラのベンチマークに相応しい実力。画素数は控えめだが、画質は第一級である。

総合評価

「S20 Ultra」「P40 Pro」を検証

■Model.2:Galaxy「S20 Ultra」超高画素の価値をきちんと感じさせる良好な画質

早期からカメラ機能に注力しているGalaxyシリーズだが、その最新のハイエンド機となるのが、この「S20 Ultra」だ。

自社開発の1億800万画素センサーを搭載したメインカメラ(25mmレンズ相当、手ブレ補正機能搭載)、1200万画素の超広角カメラ(13レンズmm相当)、4800万画素の望遠カメラ(103mmレンズ相当)の搭載に加え、測距用のToFセンサーを搭載。

メインカメラでの撮影時、1億800万画素をフル活用するためには専用モードへの切り替えが必要。通常モードは1200万画素だが、感度と画質をバランスさせつつ、8K(24fps)の動画撮影も実現している。また、望遠カメラはデジタルズームで10倍、さらに最大100倍の超高解像度ズームを実現。現行のスマートフォンで最高レベルのスペックを達成している。

画角

解像感

高感度

やはり本機の注目は、1億800万画素センサーを搭載したメインカメラの実力だろう。しかしながら、やはりこのセンサーサイズで1億を超える画素数は荷が重い印象で、撮影データをPCで等倍表示すると、解像力はかなり高いものの、1画素あたりの面積が小さいためノイズも多い。

一方、1200万画素の通常モードは、1200万画素センサー搭載機を圧倒する解像感に加え、高感度性能も良好で、ノイズもまったく目立たない。日常的な使い方でも、超高画素の価値がきちんと感じられる、良好な画質といえる。

色調は全体的にやや濁り気味で、特に青空や肌色のクリアさがもう一息といった印象。HDRは積極的にかかるが、やや過剰補正で不自然に感じるケースもあった。

また、超広角カメラは焦点距離13mm相当と、今回のテスト機の中で屈指の広さを誇る。個体差かもしれないが、周辺部に若干見られた色収差と解像度低下がやや気になる点だ。しかしながら、不得意なシーンが見られず、幅広いシーンで安定した性能が得られる点は大きな魅力だろう。

総合評価

■Model.3:HUAWEI「P40 Pro」望遠カメラも高解像。高画質な自撮りにもおすすめ

カメラ機能を重視し、先進技術が注ぎ込まれてきたPシリーズ。その最新モデルが「P40 Pro」だ。メインカメラには、競合モデルで類を見ない1/1.28インチの大型センサーを搭載。センサーの解像度は約5,000万画素で、高感度に強いRYYG配列を採用する。レンズは手ぶれ補正に対応し、焦点距離は23mm相当。明るさはF/1.9だ。

超広角カメラは18mm相当で、センサーの解像度は約4,000万画素。望遠カメラは屈曲光学系によって125mm相当を実現しており、RYYG配列の約1,200万画素センサーを搭載する。さらに、ToFセンサー(3D深度センシング)や色温度センサーまで備えている。

いずれのカメラも独ライカブランドとなり、あらゆる面できわめて高いポテンシャルを実現。インカメラには約3,200万画素のユニットを採用し、セルフィー機能に対応する。初代モデルからカメラ機能の可能性を実証してみせたファーウェイらしい、かなりの意欲作だ。

画角

解像感

高感度

P10から歴代モデルを見てきたが、P40 Proの仕上がりの美しさは、いい意味でファーウェイらしい。色調はいわゆる記憶色寄りで、とても見栄えがよく鮮やかだ。写真を見返した時、うれしさを感じる仕上がりで、スマートフォンの絵作りとして正解だと感じる。

約5,000万画素もの高画素センサーを搭載するが、標準の記録設定は約1,200万画素。高画素の情報量をぎゅっと1,200万画素に詰め込んでおり、画素数以上の緻密さ、繊細さを感じさせる、高い描写力を実現している。

一方、望遠カメラの写りも、キリッと解像感が高い。SNSであれば、そこからデジタルズームで10倍相当にしても必要十分。50倍であってもメモ程度なら実用レベルだ。さらにインカメラの解像感や描写力も高く、高画質な自撮りをしたい人にもおすすめだ。

あえて難をいえば、全体に色調がやや派手目でコッテリしすぎる点。少し色調を抑えたモードも搭載されれば、さらに魅力的なモデルになるだろう。また、LightroomなどのAndroid用アプリをインストールできない点は要注意。とはいえ、カメラ機能単体でみると、とても魅力的な選択肢といえる。

総合評価

「Find X2 Pro」「AQUOS R5G」を検証

■Model.4:OPPO「Find X2 Pro」高画素ならではのワンランク上の解像感と質感描写

近年、日本国内で積極的な展開を見せるOPPO。そのハイエンド機が「Find X2 Pro」だ。カメラユニットは3眼式。メインカメラは約4,800万画素(F1.7・1/1.4型・光学手ぶれ補正)、超広角カメラは約4,800万画素(16mm相当・F2.2・1/2型)、望遠カメラは屈曲光学系を採用し約1,300万画素(160mm相当・F3.0・光学手ぶれ補正)となる。

インカメラは約3,200万画素で、いずれもソニーセンサーを採用。また、高速なAFを実現するPDAF(全画素位相差検出AF)や、自動で感度を調節するデュアルネイティブISOといった最新技術も搭載している。

記録画素数の初期設定は、いずれも1,200万画素。3つのカメラをシームレスに繋げる「ハイブリッドズーム」によって、16mm相当から160mm相当までをカバーする10倍ズームのように使える点もポイントだ。

画角

解像感

高感度

画質は総じて安定している印象。とくに色調や階調性が自然で、デジタルカメラ的な絵作りといえる。

解像感についても、メインカメラと超広角カメラでは十分に高く、4,800万画素センサーから1,200万画素のデータを生成しているだけのことはあり、ワンランク上の解像感と質感描写が得られる。普段使いであっても、高画素のメリットが感じられる点は大きな魅力だ。

また、3つのカメラが連携しており、カメラを切り替えても仕上がりが見事に揃っている。同一シーンを超広角から望遠まで撮影しても、色調が変わらないため安心感がある。

しかし、他社に比べるとクリアさはもう一息といった印象。AWBの関係か、夜景撮影では若干の色かぶりがみられる。また、インカメラでの人物撮影時は、ハイライトがやや白飛びしやすい傾向だ。テスト機は望遠カメラの解像感もわずかに弱めで、もう少し切れ味が欲しいと感じた。

とはいえ、フラグシップモデルらしい実力の高さは明確に感じることができた。今後の画質チューニング次第で、より安心して使えるモデルになる可能性を秘めている。

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■Model.5:SHARP「AQUOS R5G」8K動画や4800万画素の静止画は、圧巻の解像感

世界初のカメラ付き携帯電話を作ったシャープ。最新フラグシップモデルとなる「AQUOS R5」では、国産スマートフォンで初の8Kムービー撮影に対応。同社が積極的に推進する8Kエコシステムを、民政機として入力側からサポートする役割を担っている。

RAW+JPEG記録に対応している点にも注目。また、スマートフォン上でRAW現像ができるアプリ「Adobe Photoshop Express」をプリインストールするなど、撮影後の高画質な静止画作成にも積極的に取り組んでいる。

カメラ機能の構成は3眼式。8Kや4,800万画素の高精細撮影を行えるのは超広角カメラのみとなり、メインカメラと望遠カメラはいずれも1,220万画素だ。

画角

解像感

高感度

多くのモデルが静止画重視なのに対し、AQUOS R5はやや動画に重きを置いている。注目の8K動画や4,800万画素の静止画は、やはり圧巻の解像感。緻密な8K動画はもちろん、広大な風景を撮りたいときにも威力を発揮する。

通常時の撮影は1,200万画素での記録となり、解像度は画素数なりという印象だ。超広角カメラ撮影時の歪みはよく補正されており、建物を撮っても気にならないレベルだ。

8K動画は、身構えずに気軽に撮影できる。記録容量はかなり大きくなってしまうが、細部の緻密な再現は大きな魅力。ここ一番の記録には心強い。また、8K解像度を生かし、自動で被写体をズームして再生してくれるフォーカス再生機能も便利だ。

メインカメラの解像感は1,220万画素センサーとしては標準レベル。AWBは光線の色味を若干加味した補正をするものの、不自然さは少なく、動画重視ならこの設定もありだろう。

残念なのは、色と階調の再現性だ。3つのカメラはそれぞれ色調が大きく異なり、とくにメインカメラの色調が若干マゼンダに寄っている。そのため、肌色や青空が不自然な色調になりがちだ。また、HDRがうまく機能していないのか、ハイライト(明るい部分)が白飛びしやすいのも気になるところ。動作速度も、今回のテスト機の中ではやや遅めだった。

総合評価

SONY「Xperia 1 II」の実力は?

■Model.6:SONY「Xperia 1 II」多彩なシーンをそつなくこなす完成度の高さが魅力

ソニー「Xperia」ハイエンドモデルの第2世代目となる「Xperia 1 II」。歴代のXperiaの中でも、カメラ機能には特に力が入っている。構成は、ツァイスブランドのレンズを用いた3眼式で、超広角カメラが16mm相当、メインカメラが24mm相当、望遠カメラが70mm相当となる。

センサーはいずれも1,220万画素で、超広角カメラ、メインカメラは高速AFが可能なデュアルフォトダイオードタイプを採用。デジタルカメラ「αシリーズ」で培われた技術をベースに、人物、動物の瞳検出AFや、AF/AE追随で秒間最大20コマの超高速連写機能などを備えている。

また、αシリーズ譲りのUIを採用したアプリ「Photography Pro」がプリインストールされており、シャッター速度優先やマニュアル露出撮影、露出やホワイトバランスのスピーディーな設定も可能だ。さらにRAW+JPEG記録まで対応するなど、カメラライクな操作感を実現している。

画角

解像感

高感度

Xperia 1 IIのカメラ機能の魅力は、どんなシーンでもそつなくこなす完成度の高さ。解像感も1,200万画素クラスではトップレベルである。

色調も適度に自然で、チャート比較でもデジタルカメラと同等の色再現を実現。また、HDRの効きも絶妙で、とくに肌色や青空の再現性がとても自然だ。高感度性能もよく、被写体のディテールを損なうことなく、巧みにノイズを抑えている。

使用感も軽快だ。特に側面のシャッターボタンを長押しするだけでカメラ機能を起動でき、カメラライクな持ち方で撮影できる点がいい。AFも快適かつ正確で、信頼できるレベルだ。

やや残念なのは、メインカメラ(24mm相当)と望遠カメラ(70mm相当)の焦点距離が離れてしまっている点。写真愛好者が多用する35mmから50mmくらいの焦点域で撮影するためにはデジタルズームを使う必要があり、画質低下が気になるところだ。また、絵作りがプレーンでやや大人しく、できればXperiaならではの絵作りや主張が欲しい。もう少し映える色調のモードなどがあってもいいと思う。

総合評価

今やスマートフォンは、日常的な撮影をするための、“一番身近なカメラ”だろう。そのためスマートフォンのカメラ機能は、スペックや機能面での差別化がわかりやすく、今回検証を行ったハイエンドモデルでは特に、各社とも機能性を重視した展開になっている。

だが、実際に撮影してみると、結果は必ずしもスペックや機能で測ることができないというのが実感だ。画質は実力や絵作りのポリシーもあり、機種ごとで意外にも大きな差が出ているのが現状だ。

今回のテストは、筆者が普段デジタルカメラの評価に使っているテストチャートや定点撮影などで評価を行ったため、スマートフォンのカメラ機能にはやや厳しい条件下でのチェックとなったが、どの機種も日常的に安心して使えるレベルに仕上がっていた。

一方で、スマートフォンとしての絵作りや画質、UIなどには、まだまだ多くの課題が残されているというのが、偽らざる印象だ。どうもデジタルカメラを意識し過ぎている印象が強く、スペックや結果重視の嫌いもある。

筆者としては、スマートフォンのカメラ機能は、より楽しく気軽に安定した写りを提供することが使命だと考えているが、まだその意識が感じられないのが残念である。今後、スマートフォンならではの楽しさを、さらに追求した次世代モデルの登場を期待したい。

(山田久美夫)

今回ご紹介したスマートフォン各機種のディスプレイ画質もテスト!

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