富山から球界のスターに ドラフトで県出身の2人指名

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花束を手に笑顔を見せる内山=金沢市の星稜高校

  富山生まれの18歳2人がプロへの扉を開いた。26日に開かれたプロ野球ドラフト会議で、上市町出身の内山壮真捕手(星稜高・石川)と、高岡市出身の上田洸太朗投手(享栄高・愛知)が指名を受けた。2人は“夢舞台”での活躍を誓い、家族ら関係者が沸いた。

■内山「将来はメジャー」

 普段は冷静な内山が、この日ばかりは浮かれた様子だった。ヤクルトから3位指名を受けたうれしさを、高校名にかけて星の数で問われると「満点の星三つです」とマスク越しでも分かる笑顔で答えた。

 指名から約20分後の午後6時45分ごろ、金沢市内の星稜高校の会見場に入った。「不安もあったので、安心した」と指名の瞬間を振り返り、「長所は打撃力。首位打者を目指したい」と強調。巨人のエース菅野智之らとの対戦を熱望した。以前から米大リーグ志向を口にし、この日も「将来的にはメジャーで戦える選手になりたい」と誓った。

 ヤクルトには同校で1学年上だった投手の奥川恭伸が所属。「レギュラーとして奥川さんと野球ができるように頑張りたい」とプレーを心待ちにした。ヤクルトの高津臣吾監督は「難しいポジションだが、チームの中心として大きく成長させたい」と奥川とのバッテリー結成に期待を持たせた。

 今春に新型コロナウイルスで休校となった際は、実家で毎日3~4時間の素振りや筋力アップに励んだ。富山で磨いた打棒を生かし、「地元の方々に恩返しできるよう活躍したい」と力を込めた。(石黒航大)

■上田「鳥肌立った」

 上田は名古屋市の享栄高校で、父の聖太郎さん(45)、母の貴子さん(46)とともにインターネット中継を見て指名を待った。名前が呼ばれ「ものすごい鳥肌が立った。ずっと目標にしていたプロとしてのスタート地点に、ようやく立つことができた」と喜んだ。

 享栄高への進学は偶然だった。中学3年生のときに勧誘を受けていた愛知県内の別の高校を見学。享栄高への訪問予定はなかったが、食事に訪れた飲食店の店主が同校OBで、強く勧められ同校も見学することに。「ここならプロを目指せる」と入学を決めた。

 長身から投げ下ろす体重が乗った直球が武器。最速は143キロだが、数字が示す以上に球質は重い。ただ、「もっと速いストレートや良い変化球を投げないとプロは抑えられない」と成長の必要性は痛感している。「総合的にレベルアップし、まずは支配下登録を目指す」と意気込んだ。

■「舞い上がった」「信じられない」/家族や同級生が歓喜

 内山の両親は、星稜高に駆け付けて指名の瞬間を見届けた。父の彰博さん(47)は「僕自身も舞い上がった。小学生の頃からの夢をずっと持ち続けたのはすごい」と興奮気味に語った。星稜高では寮生活だったため、母の美佐織さん(50)は「もっと遠い東京に行くのはさみしい。でも、いい知らせを届けてくれるはず」と活躍を願った。

 祖父の康弘さん(81)は「尊敬していた先輩の奥川選手と同じ球団で、本人も望んでいたと思う。けがなく頑張ってほしい」と激励。小学生時代のチームメートで桜井高3年の堀田陸斗さん(18)は「壮真は人間的にも優れていて、向上心が強い。プロで活躍すると思う」と期待した。

 上田の父、聖太郎さんは「我が子が指名を受けるなんて信じられない。うれしいことだが、責任は重大。球団に恩返しできるよう励んでほしい」と話し、母の貴子さんは「小さな頃から親の言うことはあまり聞かず、指導者の言葉の一つ一つをひたすら頑固に信じ、練習する子だった」と息子の歩みを振り返った。

 高岡ボーイズの同期で高岡第一高3年の清水琉世さん(18)は、8月に県内であった交流試合で一緒にプレーしたといい「県内の他のチームではなかなか見ない切れのある球を投げていた」と、仲間の成長を肌で感じていた。

練習試合で力投する上田=6月19日、名古屋市