【ドラフト】“サニブラウンに勝った男”中大・五十幡 2位指名の日ハムとの不思議な縁

日本ハムから2位指名を受けた中大・五十幡亮汰【写真:編集部】

盗塁技術は西川遥輝を参考、大学の1学年には石井一成の弟が在籍中

「2020年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日開催され、中大の五十幡亮汰外野手が日本ハムから2位指名された。中学時代は陸上部に所属し、全中では100メートル走の現日本記録保持者サニブラウン・アブデル・ハキームを破り優勝した俊足の持ち主。100メートルの自己ベストは10秒79を誇る。北海道に行ったことはないというが、そんな五十幡には日本ハムとの不思議な縁がある。

足の速さは折り紙付きながら、それゆえにプレッシャーからスタートを切るのが苦手だったという高校時代。大学では長所を伸ばそうと一から走塁を勉強したが、最も参考にした選手のひとりが2014、17、18年に3度盗塁王に輝いた日本ハムの西川遥輝外野手だ。

「西川選手を参考にずっと盗塁を練習してきた。色んな選手のスタートを動画で見ていて、西川選手の“ここ”というのはないんですが、参考にさせていただいている」と五十幡。過去には「色んな盗塁の名手がいるが、それぞれスタイルは十人十色。自分にとって一番近いのが西川選手です」とも話していた。

それだけではない。佐野日大での高校時代を過ごした栃木ゆかりの選手では、作新学院出身の日本ハム・石井一成内野手がいるが、その弟の石井巧内野手は現在中大の1年生。練習ではコンビを組むこともあるといい「石井のお兄さんは面識はないですが、同じ栃木の高校出身ですごく刺激になっていた。石井家の話ができれば」と思わぬつながりに驚きを隠さない。

俊足ゆえ、どうしても「サニブラウンに勝った」という事実ばかりがフィーチャーされがちな五十幡だが、この日かつての“盟友”への言葉を求められると「本当に彼には刺激を受けて、彼が頑張っている姿を見て自分も頑張って来れた。感謝していますし、プロでもお互いに刺激し合えるような関係を続けていきたい」と丁寧に答えた。野球界に留まらない様々な縁を糧に、この先プロの世界でも自慢の快足を加速させていく。(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)

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