まるで「不動産版メルカリ」、サラリーマンでも“格安マイホーム”を手に入れる方法

中古マイホームを検討するとき、不動産会社に足を運ぶ人は多いはずです。でも、それよりもおトクな選択肢もあるといいます。築古の不動産投資歴10年、総家賃収入1億円超、総投資額12億円超で、20万円の自宅に住んでいた経験を持つ、個人投資家の広之内友輝が「格安マイホーム」を購入する方法を解説します。


一般的になりつつある「競売」

私自身6年前までは、北海道に20万円で買った家に住んでいました。また、私の会社のスタッフは最近30万円で家を買い、家賃5万円で貸し出そうとしています。わざわざ新築を買わなくても、格安にマイホームを購入する方法はあります。

本記事では、築古メインの不動産投資家としての知見を活かした「サラリーマンでもできる安い家の買い方」をお知らせいたします。

1.どこに安い家の情報が眠っているのか

第1におすすめするのは、「競売」があげられると思います。暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(暴対法)の施行により、任侠関係の占有者が居座るリスクは極小化しました。

そのうえ、BIT(不動産競売情報サイト)などにより、競売情報がネットで検索できるようになり、競売は安全かつ便利になってきています。以前は、業者の独占状態でしたが、今では一般にも浸透し始めています。

ただし、2つの留意点があります。

1つ目は、現地調査ができず、書面でしか入札判断ができないことです。家の内部の状態などは確認できません。競売物件の場合、内部がかなり荒れていて絶句する場合も多いです。

次に、確率は以前と比べると相当減少しましたが、占有者(だいたいは住宅ローンを滞納した本人)の存在です。その場合、弁護士を依頼したり、引っ越し費用などを工面してあげるなど、余計な支出が増えるケースがあります。

いずれにしても、目に見えないリスクに備えるため、私の場合は最低100万円は余裕を見て入札するようにしています。

一般の方でも勉強すれば、競売物件を手に入れることは十分可能。ただし、サラリーマンにとっては、ハードルが高いのは事実でしょう。

売り主と買い主が直接やりとりをする「不動産掲示板」

というわけで、第2におすすめするのは、不動産情報を売主と買主が直接やり取りできる交流サイト、「不動産掲示板」での情報収集です。こちらの方がサラリーマンにとって、ハードルが低いでしょう。代表的なサイトに「家いちば」や「不動産お見合い本舗。」などがあります。

ここには、何らかの事情で手放したくなった不動産の情報が載っています。「売り主」と「買い手」がネット上で直接やり取りする様子は、「不動産版メルカリ」といったイメージでしょうか。主な流れは、次の3ステップ。

・売主が情報を出す
・買主と直接条件などに関し、ネット上でやり取りする
・最後は不動産業者が契約をさせて完了

同じように一般の方が直接的に物件情報を出すサイトとしては、各自治体が提供している「空き家バンク」があります。「(探したい県や市町村名) 空き家バンク」で検索してみてください。最近では、ほとんどの地方自治体で取り組んでいます。

これらのサイトでは、不動産仲介業者が介在しない分、プロの相場観や常識にとらわれない、一般人の値付けによる格安ハウスが転がり出てきたりするのです。

ただ、「その値段では売れませんよ」などというプロのアドバイスもないため、常識にとらわれない「割高な物件」が転がっているので、要注意です。

2.「格安マイホーム」は作り出せる

不動産掲示板や空き家バンクでいい物件が見つかったが、値段が高い。そんな場合でも、あきらめる必要は全くありません。不動産ならではの「裏ワザ」があります。それは「指値」です。

不動産は相対取引なので、あなたも値段をつけていいのです。売主さえ合意してくれれば、あなたがつけた値段で売ってくれるのです。

そうはいっても、「先方は、なかなか納得してくれないのでは?」と感じる方もいるでしょう。そんなあなたに、最強の武器をお渡しします。それは、「現金指値」です。

「現金で買うので、〇○○万円で」

これは、一般の不動産屋さんにも高い効果が期待できます。実際、大手の戸建て買取再販事業者も、この現金指値をよく使っています。現金指値は、業者間では一般的に「表示されている家の価格を3割下げさせる威力を持つ」といわれています。

現金指値は、キャッシュに余裕のある方に限られますが、中古物件を買う予定のあるサラリーマンは、覚えていて損はないでしょう。

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