コロナ禍こそ大切にしたい「人のつながり」。実は長寿の秘訣?

新型コロナウイルス感染症により、生活や仕事の様式が大きく変わり、感染症対策のために人と会いづらい日が続いていると思います。
しかし、今はさまざまな方法で人とつながることができる時代です。
ある研究では「社会とのつながりの種類や量が多いほど死亡率が下がる」といわれています¹⁾。
こんな大変な時期だからこそ、今回は人とのつながりについてご紹介します。

人とのつながりがもたらす影響

春以降、家で過ごすことが多くなったと思います。
そんな時、流行したのがオンライン飲み会です。
みなさんはオンライン飲み会をするときにどんなものを食べますか?
「無意識のうちに友人と同じような食事になっていた!」なんてことはないでしょうか。
と言いますのも、アメリカの研究²⁾によると、「肥満は友人関係でうつる可能性がある」とされているためです。
Aさんが肥満だった場合友人のBさんは約50%の確率で肥満になるとされています。
友人関係を通じて影響を受けていることがわかりますね。
つまり、良い習慣も悪い習慣も人のつながりを介して周囲に広がるのです。
コロナ渦のこんな時だからこそ、自分や友人の良い習慣をひろげていきたいですね。

職場で豊かなソーシャルキャピタルを築くために

ソーシャルキャピタルとは、人と人との関係性やつながりを資源としてとらえて評価するという考え方のことです。
ある研究では、他人を信頼している人が多い地域ほど死亡率が低い傾向となりました。
これを職場に置き換えるとどうでしょうか。
その場合、いわゆる縦のつながりよりも「横のつながり」を豊かにすることにポイントをおきましょう。
横のつながりが豊かな職場は従業員の健康が保たれているところが多いことはよく知られています。
今は在宅勤務などでコミュニケーションをとる頻度が減ったと思いますが、気兼ねなく連絡をとれるようインターネット環境を整えたり、連絡をとっても大丈夫という雰囲気を作っておくことがとても大切です。
日頃からの横とのつながりを意識したコミュニケーションを組織として行っていきたいですね。

個人としては、できるところから「つながり」を増やす

対面で会うことが難しい場合でも、今はオンラインでつながることができます。
仲間や友人とオンラインでお喋りをしたり、SNSで同じ趣味の人とつながったり、自分ができることから始めてみてください。
つながりがあなたの生活を豊かにしてくれることを願っています。

<参考・引用文献>
(1) Holt-Lunstad J, Smith TB, Layton JB. Social relationships and mortality risk: A meta-analytic review. PLoS Medicine 2010; 7(7): e1000316.
(2) The spread of obesity in a large social network over 32 years. N EnglJ Med. 2007; 357: 370-9.
(3) Kawachi I, Kennedy B, Lochner K, et al.: Social capital,income inequality, and mortality. American Journal ofPublic Health, 87(9): 1491-1498, 1997.

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