全国高校バスケ選手権長崎県予選 女子・長崎西が4年ぶりV

【女子決勝、長崎西―長崎商】第4クオーター6分、長崎西のガード永橋がシュートを決めて83点目=県立総合体育館

 バスケットボールの第73回全国高校選手権(ウインターカップ)長崎県予選最終日は26日、長崎市の県立総合体育館で男女の準決勝、決勝が行われ、男子は佐世保工が4年ぶり2度目、女子は長崎西が4年ぶり6度目の優勝を飾った。両校は全国大会(12月23~29日・東京)に出場する。
 男子決勝の佐世保工-長崎工は、終盤まで競り合う展開。佐世保工が82-76で入った第4クオーター5分から、センター立石天の個人技、ガード馬場を起点とした速攻などで流れをつかんだ。長崎工もフォワード松田の個人技などで粘ったが、走力に勝る佐世保工が103-95で振り切った。
 女子決勝の長崎西-長崎商は、長崎西がガード永橋、横田、センター寺田らを軸とした堅守から主導権を握った。ガード中村のドライブインをはじめ、得点源を絞らせずに前半で52-29と大きくリード。長崎商もフォワード山下、センター金光らを中心に猛追したが、長崎西が89-80で逃げ切った。

◆心を一つに頂点奪回 強く速く泥くさく
 「支えてくれたみんなのために」「3年生と一緒に東京へ」-。全員の心が一つになり、女子の長崎西が4年ぶりの頂点に返り咲いた。主将のガード永橋は「自分たちのやりたいバスケができた。粘って全員で勝てた」と笑顔が絶えなかった。
 今季は苦しいスタートだった。チームの柱となる永橋が昨年6月の県高総体で右膝の前十字靱帯(じんたい)を損傷。約1年間、戦線離脱した。チームは上昇気流に乗れず、1月の県新人大会は準決勝で敗退した。
 そんな状況の中、永橋は「復帰したら、みんなの支えにプレーで返そう」と懸命なリハビリを継続。その姿に仲間たちも呼応した。「私たちも頑張らないと」。副主将のセンター寺田を中心に、それぞれがやるべきことに励んだ。
 そこに今春、ガード中村、センター鬼塚ら有力な1年生が加入。競争が激しくなり、ガード辻や横田ら2年生も伸びた。春過ぎには永橋も戻り、ようやく戦力が整った。
 迎えた今大会。県新人大会で敗れた長崎女に準決勝でリベンジすると、長崎商との決勝は持ち味の守備から速攻を仕掛けて流れをつかんだ。リバウンドやルーズボールに泥くさく飛び込み、最後まで主導権を譲らなかった。溝江監督は「始動時とは別チーム。この勝利は自信になるはず」と目を細めた。
 今季のチームのテーマは「ココロハヒトツ」。その通りに、コロナ禍も、悔しさも乗り越え、強くなった長崎西がそこにあった。


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