バカン、福島県いわき市で災害時に避難所79箇所の混雑状況をリアルタイムに可視化するサービスを提供開始

福島県いわき市は昨年の台風19号の際、4,600棟を超える住家被害、道路・橋梁、農業土木施設等の損壊、農作物への影響など甚大な被害を受けた。その際、避難所運営では一部に避難者が集中し、受け入れが困難になった箇所があった。またコロナ禍においては、感染拡大防止のために人と人との間に距離を確保する社会的距離(ソーシャルディスタンス)などが求められるが、これは災害時に開設される避難所も例外ではなく、距離の確保や体調不良者のゾーニングなどが重要となる。そうした状況下において、各避難所の収容可能人数が従来と比べ少なくなる可能性がある。よって、一部の避難所に人が集中することを避けた分散避難が必要となる。AIとIoTを活用して空間の空き情報を測定・配信する株式会社バカンと福島県いわき市は2020年10日26日、災害発生時における避難所の混雑情報配信に関する協定を締結した。現在表示対象となる市内の避難所は計79か所で、配信はバカンが提供するリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN」を通じて行われ、インターネット上で確認できる。また、同社は今後市内すべての指定避難所(207か所)及び福祉避難所にも対応していくという。「VACAN」は、マップ上で近くの施設等の空き・混雑状況を一覧できる「VACAN Maps」という機能を持ち、避難する際はPCやスマートフォン等でVACAN Mapsにアクセスすることで各避難所の位置や混み具合が確認できる。混み具合の情報は、各避難所の職員がインターネット上の管理画面から操作することで更新する。また混み具合は、「空いています」「やや混雑」「混雑」「満」の4段階で表示される。同取り組みにより、避難者や遠方に住んでいる家族がリアルタイムに混雑状況を確認できることで、躊躇なく分散避難できる環境の整備を進めていくとしている。

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