劇団Patch☆元気いっぱいの関西版D-BOYSが朗読劇に挑む!

「関西から演劇で日本を元気に」がモットーの12人組演劇集団、劇団Patch。今年で結成8周年を迎える彼らが、劇団名のPatch(パッチ=8、意味は関西弁で「一生懸命」)と「8チャンネル」の関西テレビと8つながりを縁にタッグを組んで「カンテレ×劇団Patchプロジェクト」を始動する。その第1弾が、2020年12月に大阪で、2021年1月に東京で上演する音楽朗読劇「マインド・リマインド~I am…~」だ。本公演についてはもちろん、8年間に築いてきたメンバー同士の信頼関係を語ってもらった。

——2020年はコロナ禍もあって、なかなか思うように活動ができなかったと思うのですが、皆さんにとって「音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』」が緊急事態宣言解除後、最初のステージになるそうですね。

松井勇歩 「はい。緊急事態宣言中もオンライン演劇はやらせていただいて、それもまた楽しかったけど、実際にお客様の前に劇団Patchとして立ってお芝居するのは、5月に緊急事態宣言が解除されてから初めてです」

三好大貴 「Patchの単独公演としても久々ですよね」

近藤頌利 「1年以上ぶりかな?」

——作品の内容や見どころを言える範囲で教えてください。

中山義紘 「今、言えることは、近未来のSF感のある音楽朗読劇で『プルースト効果』といって、懐かしい匂いをかいで誰かを思い出す現象のことを指すのですが、それを今回、音楽でやってみようと。生演奏もありますし、ノスタルジックな世界観にも入り込めると思います」

——これまで皆さんは朗読劇のご経験はありますか?

中山 「僕はあります、一応」

星璃 「あと、僕と井上と」

吉本考志 「朗読劇ってさ、手に持っている本のセリフを最後まで読んだら、ページめくるの?」

星璃 「めくる、めくる。めくり方までお客さんは見ているから」

吉本 「じゃあ、1人だけめくっていなかったら…」

星璃 「あいつ、どうなってんの?って思われる(笑)」

中山 「朗読劇って多岐にわたっていて、舞台上で本をがっつり読む場合もあれば、全く見ずに、本は小道具として持つだけっていうこともあって。演出によってだいぶん変わるから」

尾形大吾 「手元に物語があるんですもんね…」

中山 「そう。本を持つかどうかは演出の木村淳さんがこだわるんじゃないかなぁ」

田中亨 「僕は朗読劇をやったことないからすごい楽しみ」

星璃 「ただ、読み方ひとつで伝わり方が全然変わるから、苦戦はするやろな~」

竹下健人 「確かに、朗読劇は劇団Patchにとっても初めてのジャンルで。今、いろいろと制限されている中で何ができるかと模索したうえでのチョイスなので、僕たちも未知の挑戦にワクワクしています。少しでもこの舞台を楽しみにしてくださっている方へのエールになったらいいなと思います」

松井 「僕たちは変わらず、今まで以上にいいものを届けたいなと思っているので、大きい声で『ぜひ楽しみにしていてください!』と言いたいな」

近藤 「この時期だからこそ『関西から演技で日本を元気に』という僕らのキャッチフレーズも刺さると思うし、今回は東京と大阪だけですけど、よりたくさんの方に見てもらいたいですね。今年最後の舞台になると思うので、この朗読劇を見てもらって、“ああ、楽しかった”と思える1年にしてもらいたいです」

松井 「ええこと言うわ」

尾形 「あと、Patchを知らない人にも届いてほしいです!」

——音楽朗読劇で伝えるPatchの魅力とは何でしょう?

中山 「舞台上に全員集まって、生でお客様と対峙(たいじ)した時に、観客の方に与えるエネルギーはどこにも負けない自信がありますね」

三好 「僕、舞台は声の大きさも、アクションも、いつもの2倍でしようと心掛けていて。そうすると熱が届くので、そこはちゃんと意識したい」

近藤 「それ、めっちゃ思います。声が通るか通らないかは重要ですよね」

三好 「僕らは劇団なので、自分の体で戦うということは意識するなあ」

松井 「舞台って劇場の空気を震わせて、それをお客さんに体験してもらうことやから、生の声の大きさや圧、距離感なんかは大事にしたいよね」

星璃 「あとは、うちはリハーサルが一番面白い(笑)。今だから言えるけど、入って1年目、2年目は、リハーサルが楽しすぎてリハーサルで燃え尽きてしまってた」

井上拓哉 「そうやったな~」

星璃 「リハーサルから本気出すから、これからはリハーサルではスタッフさんとの段取りのみ確認して、面白いことは本番に残しておくという考え方になりました」

井上 「確かに。“それおもろいから本番に残しとこ”っていう会話はよくする(笑)」

——2020年は結成8周年ということで、この8年でメンバーの間で変わったことはありますか?

三好 「役者としての成長ももちろんですが、劇団なので役者以外のこと、例えば小道具作りとか、グッズのデザイン、企画やプロデュース側で動いたりなど、それぞれ特化した分野で成長していますね。特に最近では吉本が動画編集をやり始めて、会うたびに編集技術が上がっています。自分以外の11人はいつもいろんなことで成長していて、驚かされますね」

吉本 「まあ、そうよ。僕は七変化ですから。カメレオン俳優(笑)」

井上 「自分で言うてる!」

吉本 「またの名はYouTuber考志であり、チャーミング考志であり、クッキング考志であり、DIY考志であり…」

星璃 「全然、俳優が挙がってこんやん!」

近藤 「メンバーも仕事を通して内面とか志が変わってきて、それって顔に出ると思っていて。田中亨は16歳でPatchに入って、今はもう21歳になりましたが、だいぶん顔つきが変わってきたなと感じます。あと、外部の人から“実はこのメンバーは、外の現場ではこんなキャラクターだったよ”と、その時の様子を聞くのが面白いですね(笑)。ちなみによく聞くのが(中山)義くんですけど」

納谷健 「義くんは、後輩からしたら一番とっつきにくい、ミステリアスな人間でした。だから、メンバーの中でも話したのは最後やった(笑)」

松井 「僕は中山と同期やから、元々そういうキャラというのは知っていたけど、最初に後輩ができた当時は、一番年上というのもあったので、しっかりしないといけないって思っていたと思う。それが、4期生が入って5年以上、一緒にやっていくうち、そういう気負いの部分がええ感じになくなって、今はどこにいってもいじられキャラ(笑)」

納谷 「今、みんなが素をさらけ出していますよね。Patchは先輩と後輩の壁はない方だとは思うんですけど、でも見えない部分ではやっぱりあって。そんな先輩たちが見せる姿が、いい意味でダサくて。愛らしいし、後輩からすると絡みやすくもあって。今は前よりコミュニケーションが取りやすくなりました」

三好 「確かに12人全員が出演するイベントとか、1期生の僕と松井とか6人がMCをやることが多くて。でも、みんなグダグダになるんですよね。その時、(納谷)健が一番しっかりしていて、『ちゃんと戻そう!』って言うようになった。今のこの関係っていいなって思います」

近藤 「今は下の方がしっかりしてる。先輩がぐちゃぐちゃにしたものを全部後輩たちが拾っていく(笑)」

納谷 「もう大変です(笑)」

三好 「後輩たちが何とかしてくれるって、頼りきっているんでしょうね」

星璃 「まあ、うちは大魔王がいるんでね。大魔王の一言で全員、左から右に向かなあかん時もあるから。…ってこれ、松井勇歩のことですけど(笑)」

井上 「勝手な見方ですけど、表立って仕切ってくれるメンバーは、人より繊細な気がします。よく周りを見ていたり、傷つきやすかったり。逆に無口なメンバーは根性が座っているというか、俯瞰で見えている分、ちょっと余裕があって…。バカはバカなんですけど(笑)」

藤戸佑飛 「…全員の悪口言ってる?」

井上 「いや(笑)、何て言うんやろう、先頭に立ってる人は意外と心が繊細な人が多いのかなって」

——先頭に立っている方というのは?

井上 「うーん…まあ、星璃くんだったり」

星璃 「え? 俺!?」

井上 「勇歩くんだったり…、まあ義くんは…」

星璃 「義くんは繊細じゃないよ。基本的に無関心やろ(笑)」

竹下 「いや、義くんはかっこいいよ。かっこいい! 大事なことやから、2回言いました! 8年間、一緒にお芝居をしていますが、確かに健が言ったように最初は怖かったの。目が笑ってないし、本音を話してくれているのか分からなくて。心の距離もそうやし、年齢も離れてるから。今は、どこまで歩み寄れているかは分かんないですけど、結成当初とは距離感が違いますし、頼りになるなと感じています」

——最年長の中山さん、先ほどからいじられますね。

中山 「容赦ないです、後輩たちは。バカにされてんのかな…(笑)」

尾形 「いやいや、してないですよ!」

田中 「義くんは、学生の時にクラシックバレエや日本舞踊をされていたので、所作がめっちゃ美しいです」

竹下 「確かに。みんなで写真撮る時に肩組んだりするんですけど、義くんは肩に手を乗せているか分からないんですよ。ソフトタッチやから。気づいたら乗ってる!」

尾形 「エロいな~(笑)」

竹下 「そう、ドキッとする。女性がされたらキュンとするやろうな~って」

田中 「立ち姿が奇麗なので、ノーポーズでもエロスを感じますしね」

中山 「なるほどなぁ…。悪い気はしない…(笑)」

——じゃあ、悪い気がしないうちに終わりましょう。ありがとうございました。

【作品情報】

音楽朗読劇「マインド・リマインド~I am…~」

劇団Patchとカンテレがタッグを組み、関西から演劇ムーブメントを発信するプロジェクト第1弾。脚本を古家和尚、演出を木村淳(カンテレ)が務める近未来を舞台にしたラブサスペンス。10月31日(土)よりチケット一般発売が開始。

【プレゼント】

サイン入り生写真を3名様にプレゼント!

応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:2020年10月28日正午~11月4日午前11:59)

ハガキでの応募方法は「TVガイド」11月6日号(P98)をご覧ください。
「TVガイド」の購入はコチラ→https://honto.jp/cp/netstore/recent/tokyonews-book/01.html

取材・文/岩本和子 撮影/田原由紀子

© 株式会社東京ニュース通信社