平均的なサラリーマンが「一番幸せ」になれる方法 第4回 年収400万円でも「ベンチャー投資」を楽しめる理由

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前回は、投資を始めようと思った方に、投資の「い・ろ・は」であるデイトレード・長期投資・分散投資・積み立て投資についてお伝えしました。今回は、一歩先の心を豊かにする「投資」についてお伝えします。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、さまざまな影響がでましたが、人々の心に大きな変化が見られたと思います。そのひとつが、コロナ禍で増加したクラウドファンディングであり、「想いを乗せた投資」です。

――"頑張っている人を応援する"

この気持ちは人間が持っている気持ちですが、コロナという危機に直面するなかで、人々の想いはより強くなりました。

コロナでクラウドファンディングが増加

もっとも分かりやすいものが、クラウドファンディングでしょう。コロナによってダメージを受けた企業や個人の支援策としてもクラウドファンディングは盛り上がっており、実際に、購入型のクラウドファンディングのプラットホームを運営しているマクアケの業績が大きく伸びています。

応援の気持ちが資金として、向かうべきところに向かったのでしょう。

意志のある「投資」が心を豊かに

同じものを購入するなら、頑張っている人・応援している企業のところで購入したい。そんな思いを持つ人も増加し、ウィズコロナの世界では「なんとなくの消費」ではなく「意志をもった消費」へと変化していると言えるでしょう。

それは、投資でも同じことが起きています。今、投資家のなかで話題になっている新しい投資が「ベンチャー投資」です。ベンチャー企業への投資はエンジェル投資とも言われており、ひと昔前だと、超富裕層のための投資でした。

しかし、安倍政権の日本再興戦略の中で、サラリーマンでもベンチャー投資ができる仕組みが整いました。それが、株式投資型クラウドファンディングです。購入型のクラウドファンディングであれば代金と引き換えに商品やサービスを受け取ることになりますが、株式投資型クラウドファンディングでは、資金提供の代わりに、企業の株を引き換えに受け取ることになります。つまり、ベンチャー企業の株主になるのです。

コロナ禍でも、ベンチャー企業を応援するといった動きは増加傾向にあります。株式投資型クラウドファンディングにおいて、コロナの影響がもっとも大きかった4~6月は前年同期1.2倍の約1.3億円の資金が集まりました。※日本証券業協会のデータを基に著者が集計

なぜ、国が後押ししたのか

アメリカと違い日本ではベンチャー企業が躍進できないと言われています。この原因の1つは、ベンチャー企業が技術やアイデアを事業化する段階で、資金調達できる仕組みがないことがあげられていました。そこで、個人から資金調達を容易にする仕組みが投資型クラウドファンディングになります。

ベンチャー企業の成長は日本経済を活性化するためには欠かせない政策です。また、個人投資家が安全にベンチャー企業への投資をする環境を整えることで、投資家にリターンをもたらすことができます。このような好循環サイクルを構築するために、国が金商法を改正し、後押しをしているのです。

株式投資型クラウドファンディングとは?

では、具体的に株式投資型クラウドファンディングとはどんなものでしょう? 一言でいうとインターネット上で応援したいベンチャー企業に投資する仕組みです。

株式投資型クラウドファンディングは、個人投資家がベンチャー企業の株を購入することができます。また、投資先の企業が成長し、IPOやM&Aなどの「イグジット」が発生した場合、リターンを得ることができます。

一般的な株式投資も、同じですね。企業が成長すれば、株価が上がります。ベンチャー企業も同じように、成長すれば投資家にリターンがあります。

また、ベンチャー投資を実際に行っている人の多くは「投資先への共感」を大事にしています。株式投資型クラウドファンディングでは、株式投資の本来の姿に近い、投資先の企業への「共感」や「応援したいといった気持ち」で投資をする投資家が多く存在しているのです。

このように、ミライある起業家の想いに自分の想いを乗せたい個人投資家の存在が増えていますが、投資後の企業の成長や、事業進捗が気になる方もいるでしょう。

株式投資型クラウドファンディング大手の「FUNDINNO」では、ベンチャー企業がなかなか手の回らないIR情報の報告を定期的に受け取れたり、投資先の企業の経営者と交流する「つながり」の機会も用意されたりしています。

ただし、ベンチャー企業は上場企業の投資に比べてハイリスク・ハイリターンである点は注意点です。株式投資の経験がある方で、その他に新しい投資を探している方に向いているでしょう。

「豊かさ」は自分の中にある

このように、顔の見える投資が人気を呼び、日本にもベンチャー投資が少しずつ根付いてきています。実際にベンチャー投資を行っている個人投資家の意見としては、「企業の成長を楽しみながら投資をしたい」「リスクはあるものの大きなリターンを楽しみにしている」といった、リターンと応援のどちらの気持ちも多いようです。

私の個人的な見解ですが、国としての成長が一定水準まで到達した先進諸国では、文化や価値観が成熟していきます。人間は「こころの豊かさ」を求めて生きるものだとすれば、クラウドファンディングを始めてとして、個人がベンチャー投資を行うといった流れは、成熟した国では当たり前になってくると思います。

馬渕磨理子