Livox、近距離・長距離に対応したLiDARデバイス2製品発表

DJIの関連会社でもあるLivox Technology Company(以下:Livox)は、近距離検知向けのLiDAR「Mid-70」と長距離向けのLiDAR「Avia」を発売した。希望小売価格はMid-70が税込83,600円、Aviaが税込167,200円。DJI正規オンラインショップにて購入可能。

Mid-70は、低速度自動運転のために設計したLiDARデバイス。FOVが水平・垂直方向ともに70.4°まで大きく改善された一方で、5cmまで縮めることを実現している。Mid-70は、スーパーマーケットや病院などといった混雑した複雑な環境の中で、サービスロボット、無人運搬車、無人ミニバスのような低速ロボットを支援し、周囲の環境を正確かつ総合的に感知して、ロボットがうまく障害物を回避できるようサポートする。動運転効率を向上させるだけでなく、ロボット作業の安全性も高めるという。

3台のMid-70で前方・側方のブラインドスポットをゼロにする使用例

3台のMid-70と2台のHorizonで前方・側方のをゼロにする使用例

Mid-70を複数台繋げて使うと、より広いFOV範囲を得ることができる。Mid-70単体で、前方範囲を100%確保できるが、さらに複数のMid-70を繋げると、車の周りのブラインドスポットを100%ゼロにすることが可能になる。

Mid-70は、近くのブラインドスポットを検知する優れた性能を備えているので、低速度自動運転システムでブラインドエリアを最小限にする製品として選ばれているという。実際に検知範囲は、80%の反射率で260mにまでおよび、低速度シナリオにおいて、マッピングとポジショニングLiDARとして使うことができる。

Aviaは、長距離検知におけるニーズに応え、異なるシナリオの様々なスキャニングパターンの中で切り替えることができるLiDARデバイス。わずか498gの重さながら、検知範囲は450mにおよび、操作効率性と安全性を向上させている。また、ノイズを非常に低いレベルに抑えつつ、周囲の明るさに応じて検出範囲を調整することができる。トリプルリターンの機能を使って、より詳細なものを捉えることができるため、送電線点検、林業、モバイル地形測量調査マッピング、スマートシティの用途に最適だという。

様々な操作シナリオに対応するため、Aviaは2つのスキャニングパターンを提供する。どちらのパターンでも点群データレート240,000点/sで、同時に複数の高速走査レーザーを出すことができる。非反復スキャニングパターンでは、AviaのFOV範囲は、時間とともに大幅に拡大する。

70°もの広域のFOVは、大きな風景の点群データを一度に捉えることができるため、鮮明で高密度な点群を生成でき、スマートシティやモバイル地形測量調査・マッピングなどのシナリオにおいて、点群の取得効率を向上させることができる。送電鉄塔の点検、森林マッピングにおいては、Aviaの反復スキャニングパターンが、作業の効率性を損なわずに、より高精細な地形測量調査とマッピングを行いたいというユーザーの要望に応える。

また、独自の照明スポットシェープで、電線のような細い対象物でも高解像度でデータを出力することができる。Aviaの特別走査モードを使えば、より正確なデータによって、地形測量調査とマッピングの走査が捗る。Aviaは内蔵のIMUを持ち、継続的に空間姿勢と加速データを出力し、その後のデータ処理に必要な冗長性を提供する。

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