ナッチャンWorld 輸送用民間船入港 日米共同統合演習の一環 長崎県佐世保

三浦岸壁に接岸した「ナッチャンWorld」=佐世保市干尽町

 災害時や訓練時に、自衛隊の隊員や車両などを輸送する民間船「ナッチャンWorld」(1万549トン)が27日、長崎県佐世保に入港した。全国各地で行われている日米共同統合演習「キーン・ソード」の一環で、30日まで通信機材の確認訓練などを実施する。
 同船は全長約112メートル、幅約30メートル。大型トラックや水陸両用車、戦車も積載可能で、約500人が利用できる居住スペースなどを備える。かつて北海道と本州を結ぶ定期便として就航していた。
 防衛省は2016年、緊急時の輸送力確保のため、同船を所有する「高速マリン・トランスポート」(東京)とPFI事業(民間資金活用による社会資本整備)契約を締結。同省の出動要請に応じて、主に北海道の自衛隊員や車両などを本州や九州に輸送する後方支援の役目を担っている。
 予備自衛官ら20人も同船で訪れ、海自佐世保教育隊で訓練に当たる。内藤裕之船長は「出動が可能なように即応態勢をとっている」と話した。31日に佐世保を出港後、鹿児島県に向かう予定。

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