壁面に咲くカラフルな花 平塚出身のアーティスト 「インスタ映え」人気に

平塚市内各地で壁画を描き続けているオノルイーゼさん=湘南ベルマーレひらつかビーチパーク

 平塚市出身のアーティスト・オノルイーゼさん(30)が市のシティープロモーションに一役買っている。平塚海岸や湘南平などで描いた壁画などは「インスタ映え」するフォトスポットとして人気で、12月からはご当地ナンバープレートのデザインにも採用。湘南ベルマーレひらつかビーチパーク(同市高浜台)に市内8作目となる壁画を制作中で「自分の絵が、人と人とが出会うきっかけになれば」と願いを込める。

 ビーチパーク事務所の壁に描かれたユリやチューリップ、マーガレットの大輪…。オノさんは絵筆を手に「フォトスポットとしてインパクトが出るように色使いも考えた」。幅5.5メートルの大作を約10日間かけ、25日の完成を目指している。

 自然の草花を多く描き、全国各地で壁画を描き続けるオノさん。平塚市内の実家の近くの橋の下にある巨大な壁画を見て育った。派手な色使いで描かれた幻想的な世界観に「毎日見ても絵の表情が違う。自分のキャパシティーを超えたサイズ感にインパクトを受けた」。アーティストの道を目指す原点となった。

 市はシティープロモーションの一環で、会員制交流サイト(SNS)の「インスタグラム」で写真映えしそうなフォトスポットづくりを市内で進め、カラフルな作風のオノさんに白羽の矢を立てた。2016年にビーチパークのボードウオーク(遊歩道)の床に花やサーフボードの絵を描いたのを皮切りに、湘南平やJR平塚駅などでも壁画を手掛けるようになった。

 多くの市民の目に止まるようになり、オノさんは「地元で絵を描くことで、いい思い出だけでない記憶も肯定してもらえているような気がする。平塚に生まれ育ってよかったと実感している」と笑みを浮かべる。

◆ご当地ナンバー 「夕日の海岸」に
 平塚市は市民らから投票を募っていたミニバイクなどのご当地ナンバープレートのデザインを発表した。50㏄以下のミニバイクと50㏄超90㏄以下と90㏄超125㏄以下のオートバイが対象で12月15日から交付を開始する。

 オノルイーゼさんが描いたデザイン2案のうち湘南平のテレビ塔と夕日が沈む平塚海岸のデザインに決定。総投票数9131票のうち6626票が集まった。

 別案のバラの花のデザインも今後、ステッカーとしてご当地ナンバーの申請者にプレゼントするという。記念番号として1、7、77、777番の抽選を行う。記念番号の事前申し込みは11月13日まで。

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