綿谷さん JICA理事長賞 南米ペルーで陸上競技指導

表彰状を手にする綿谷さん=長崎市みなと坂1丁目、小榊アスカ福祉会

 国際協力機構(JICA)が開発途上国の人材育成や社会発展に尽くした個人・団体に贈る理事長賞に、小榊アスカ福祉会(長崎市)の理事兼事務長で元西彼時津町教委委員長の綿谷章さん(70)=同町在住=が輝いた。30代の10年間、南米ペルーで陸上競技の指導に力を入れ、帰国後も国際協力の関心向上に寄与したことなどが評価された。
 綿谷さんは福井県出身。1980年に青年海外協力隊員として2年の任期でペルーに赴任し、国内各地を巡って選手や指導者を育成。その後もナショナルチームの指導者などとして計10年間活動した。この間、赴任当初から指導していた教え子の1人が走り幅跳びと三段跳びの選手として、ソウル五輪(88年)に出場する快挙を成し遂げた。綿谷さんもこの際に監督を務めた。
 帰国後は90年から5年半、活水女子大(長崎市)の国際交流課長を務め、県青年海外協力協会で活動。時津では町立小中学校で国際協力に関する講演会やイベントを不定期に開いている。
 27日、小榊アスカ福祉会で授与式があり、JICA九州(北九州市)の植村吏香所長が表彰状と記念品を贈呈。綿谷さんは「これまでの活動が認められ、ありがたい。国際協力は海外だけでなく国内でも十分にやれる。世界の広い目で物事を捉え、その考えを地域の人と共有してきたと思う」と話した。
 同賞は、本年度は国内外の48個人・団体が受賞。県内ではこれまでに3人1団体が受賞している。

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