大阪都構想、隣の京都政界もやきもき 可決なら維新伸長、各党が影響警戒

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大阪都構想への賛成を呼び掛ける吉村・大阪府知事と松井・大阪市長、公明党の山口代表ら(手前右から)=18日撮影、大阪市北区・JR大阪駅前

 大阪市を廃止し4特別区に再編する「大阪都構想」の住民投票(11月1日投開票)の行方を京滋の国会議員が注視している。賛否を巡って各党の対応が分かれて複雑な状況に置かれている上、可決されれば都構想を推進してきた日本維新の会の勢いが増し、次期衆院選に影響を及ぼしかねない。「大阪の話だから」と片付けられない思惑が見える。
 

 「大きな声で話せない」。自民党本部の通路にいた滋賀選出の議員は、都構想の話になると困惑した表情を浮かべた。自民は菅義偉首相が維新代表の松井一郎大阪市長らに近く、静観の構えだが、大阪府連は都構想に反対し軽率な発言ができないという。連立与党を組む公明党が今回反対から賛成に転じたことも、事態をより複雑にしている。

 一方、自民京都府連会長の西田昌司参院議員(京都選挙区)は地方自治を後退させるとして都構想反対を表明し、住民投票前日の31日に大阪へ応援に入る。衆院選を念頭に「都構想が可決されれば維新支持者が勢いづいて、京都政界にも少なからず影響がある」と警戒する。

 住民投票は、野党の議員も注視している。

 反対を打ち出す立憲民主党の福山哲郎幹事長(参院京都選挙区)は、20日の会見で「大阪市民の皆さんがどういう選択をするかが重要」としつつ、否決された場合は松井市長が政治家を引退すると発言したことに触れ「政治的影響はないわけがない」と強調した。

 京都では維新唯一の現職である森夏枝衆院議員(比例近畿)が3区にいる。1区などに維新が候補者を立てるのではとの声も聞かれ、ある野党議員は「京都の真ん中の選挙区に維新がいるのは嫌」と伸長を嫌う。

 賛成を明言するのは、国民民主党の前原誠司代表代行(衆院京都2区)。維新の国会議員らとつくる地域主権の超党派勉強会でも賛成を決議した。「可決されれば中央政界にもインパクトがある」とみて、都構想を突破口に持論の統治機構改革を推進したい考えだ。

 滋賀にも住民投票の結果が維新の候補擁立に影響するとの見方がある。自民の大岡敏孝衆院議員(滋賀1区)は「滋賀はどの選挙区も、維新が候補を出せば野党票が割れて自民が有利になる」と分析。都構想に否定的な野党系無所属の嘉田由紀子参院議員(滋賀選挙区)は「去年の参院選で県内の比例投票先は維新と立民がきっ抗していた」といい、都構想の結果によって有権者の政党支持がどう変化するか注意深く見守る。