ウイリアムズF1のラッセル、シート喪失報道を否定「レッドブル入りを狙うペレス陣営が噂を利用しているだけ」

 ウイリアムズF1チームのジョージ・ラッセルは、2021年に自分のシートがセルジオ・ペレスのものになるかもしれないという噂は、ペレス陣営が煽っている可能性が高いと考えている。

 ラッセルは実際にはウイリアムズと来年末までの契約を結んでいる。しかし最近チームオーナーが、ウイリアムズ家からドリルトン・キャピタルに変わったことで、昨夏ラッセルが当時副代表のクレア・ウイリアムズと交わした契約の有効性について憶測が持ち上がっている。

 今季末でレーシングポイントを離脱するペレスは、移籍先のチームに母国メキシコ企業からの多額のスポンサーマネーをもたらす。そのペレスがウイリアムズと交渉を行っているという報道が最近なされ、彼が加入する場合にはラッセルがチームを離脱することになると推測されている。

セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

 ポルトガルGPの金曜、ウイリアムズの暫定チーム代表サイモン・ロバーツは、ラッセルとチームメイトのニコラス・ラティフィが来年もウイリアムズでレースをするかどうか聞かれた際に明確な答えを示さず、「おそらくはそうだが、いずれかについて何か発言することは避けたい」とコメント。それによってラッセルの将来に不確定要素があるという印象が高まった。

 しかしながら日曜日のポルトガルGP後にラッセルは、2021年に向けウイリアムズと彼の状況が変化することはないと語り、来シーズンまでの確固たる契約があると改めて主張した。

「何も変わっていない」とラッセルは語った。「前にも言ったとおり、僕は来年について何も心配していない。メルセデスと(チーム代表)トト(・ウォルフ)が支援してくれることは分かっている。トトは僕にそう言っているし、僕は絶対的な信頼を置いている」

「思うにこうした噂のすべては、おそらくペレス側の陣営が流しているのだろう。彼らは他のチームにプレッシャーを与えようとしているんだ。おそらくはレッドブルのシートを獲るためにね。それが僕の見解だ」

「僕には契約がある。何も心配していないし、ここで自分の仕事に集中しているよ」

 レッドブル・レーシングの首脳陣は、来年アレクサンダー・アルボンを残留させるかどうか検討中だと認めている。彼を外す場合には外部のドライバーを起用する見通しで、その候補の筆頭はペレスとニコ・ヒュルケンベルグだ。

## ■ラッセル、来季契約への明言を避けた代表に理解示す

 一方、ロバーツ代表がウイリアムズの来季ドライバーについて明言を避けたことについて、ラッセルは代表は単に契約内容の詳細について話したくなかったに過ぎないと主張した。

「彼らは契約の状況については決してコメントしたがらない。サイモンが金曜記者会見で発言した後、明らかに文脈から外れて取り上げられた。チームはそういうことを避けたかったんだ」

「結局のところ、チームはこのことについてコメントすることを望んでいなかった。なぜなら不要なことだと思っていたからだ。その後の質問にはオープンに答えていた」

「でも前にも言ったように、僕には契約があるので、来年もグリッド上にいる。そのことは強く確信している。今後数週間のうちに相当大きな出来事が起こらない限り、変更はないだろう」

2020年F1第12戦ポルトガルGP ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)

 ラッセルは、ドリルトン・キャピタルの首脳陣とポルトガルで話をした際に、何も心配することはないと言われたという。

「彼らは現地に来ていたので話をした」とラッセルは認めた。「彼らは、『心配しなくていい、すべてはうまくいくだろう』と言っていた」

「そのことについて少し話をして、その後、今年の残りと来年に向けての話に移った。チームをいかに前進させていくかという話をね。僕にとってはそれで十分だ」

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