黒人男性を警官が射殺、抗議の市民らが略奪 米フィラデルフィア

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米ペンシルヴェニア州フィラデルフィアで26日、黒人男性が警官に射殺され、多数の市民が抗議行動を展開している。27日夜には市内の商店で略奪が発生。警察は数百人が略奪に加わっているとしている。

警察によると、26日午後4時ごろ、フィラデルフィア西部のコブス・クリーク地区に武器を持った男性がいるとの通報を受け、警官2人が急行した。

AP通信が警察の報道官の話として報じたところでは、後にウォルター・ウォレスさん(27)と判明する男性が、ナイフを手にしていた。警官らが手放すよう命令したところ、「警官らに向かって前進して来た」という。

警官2人は「数回」発砲し、ウォレスさんの肩と胸に命中した。警官の1人が病院に運んだが、死亡が確認されたという。

発生時の動画

ソーシャルメディアに投稿された動画には、ウォレスさんが歩いて警官2人に近づき、警官らはウォレスさんに銃を向けている様子が映っている。警官らは後ずさりし、ナイフを置くよう大声で指示している。

その後、発砲があり、ウォレスさんが路上に倒れているのが動画で確認できる。

ウォレスさんの父親は地元紙フィラデルフィア・インクワイアラーに、ウォレスさんは精神的な問題を抱え、薬を摂取していたと説明。「なぜテイザー(電気ショックを与える器具)を使わなかったのか?」と述べた。

大規模な略奪

事件を受け、300人を超える人々が26日夜、路上で抗議行動を繰り広げ、91人が逮捕された。

抗議行動は日付をまたいで続き、時おり暴力的な行為も見られた。現地の映像では、警察車両に火がつけられ、多数の事業所や商店が略奪された。


当局によると、警官ら30人がけがを負った。ほとんどは、れんがなどで殴られたのが原因としている。警官1人は車両(ピックアップトラック)に衝突され、足を骨折するなどして病院に運ばれたという。

翌27日夜には警察は、川沿いのポート・リッチモンド地区で約1000人が略奪をしているとし、

した。

フィラデルフィア市当局の緊急事態に対応する部署は、「大規模デモが暴力的になった」として、

地元紙フィラデルフィア・インクワイアラーによると、抗議者らはごみ箱を使ってバリケードを作ろうとした。警察は抗議者らから攻撃を受けたとし、こしょうスプレーや警棒を使用した。

27日は市内各地で商店が早めに営業を終え、バリケードを作るなどした。BBCがアメリカで提携する米CBSニュースは、薬局が閉店したため薬を手に入れられない住民がいたと伝えた。

市内には多数の警官のほか、州兵が配置されている。

市と警察の反応

ジム・ケニー市長(民主党)は、ウォレスさんが射殺された動画について、「答えが必要な問いを提示するものだ」と述べた。

市長は詳しい説明は避けたが、「ウォレスさんと家族、警官、フィラデルフィアのため、迅速で透明な解決」を望んでいると話した。

一方、フィラデルフィア警察署のダニエル・アウトロー署長は、現場を訪れ、「地域の怒り」を感じたと述べた。

27日の記者会見では、「さらなる社会不安の出来事を予想している」、「そのため、秩序を保つための追加措置を取る。市内の主要地点で警官の配置を増やす」と話した。

発砲した警官2人はともに、7発ずつ発砲したという。どちらもボディカメラを身につけ、電気ショックを与えるスタンガンは携行していなかったとした。

警官らの氏名は明らかにされていない。

フィラデルフィアでは今年、黒人男性ジョージ・フロイドさんが警官に膝で首を圧迫されて死亡した事件の後も、大規模な抗議行動が起こった。


救急車の代わりに警官到着

ウォレスさんの家族の弁護士シャカ・ジョンソンさんは、ウォレスさんの精神問題に対応するため、家族が救急車を呼んでいたことを明らかにした。

フィラデルフィア・インクワイアラーによると、ジョンソン弁護士は、救急車の代わりに警官2人が到着したと説明。ウォレスさんの妊娠中の妻は警官らに、ウォレスさんが双極性障害で危機的な状態にあると伝えたという。

この事件を受け、民主党のジョー・バイデン大統領候補とカマラ・ハリス副大統領候補は、「ウォルター・ウォレス・ジュニアの家族と、再びアメリカの黒人の命が失われたことで精神的な負担を感じている全ての人々のことを思い、私たちの心は張り裂けている」との声明を出した。

フィラデルフィアはペンシルヴェニア州の最大都市。同州は来週の大統領選挙の行方を左右する重要州となっている。

(英語記事 Philadelphia rocked by unrest after police shooting