ハエ取り紙メーカーが女性の求める“かわいい”を追求して生み出した商品とは?

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10月28日(水)放送の『林修のニッポンドリル 出雲大社!縁結びの最強参拝ルートSP』には、人気企画「大ヒット商品のナゾ」が登場。倒産寸前まで追い詰められた企業が、大ヒット商品を生み出しV字回復するまでのドラマを追った。

ブラウン管測定器で成功したベンチャー企業が猛暑を救う衣料品を開発

市ヶ谷弘司氏が埼玉県で立ち上げた「セフト研究所」は、ブラウン管カラーテレビの色を調整する「ブラウン管測定器」で大成功を収めたベンチャー企業。一時は年商5億円を達成したが、ブラウン管テレビ時代の終焉と共に経営は急激に悪化した。

事業転換を決意した市ヶ谷氏は、地球にやさしいエコな製品に商機があると直感。社員の反対を押し切って、水が蒸発する時に周囲の熱を奪う“気化熱”を利用した枕や、小型扇風機を内蔵した座布団型の空冷却装置「セフトン」で勝負を賭けるが、失敗に終わってしまう。

それでも諦めない市ヶ谷氏は、汗が蒸発するときにも気化熱が発生することに着目。「セフトン」の際に作った送風ファンを活用して、汗を蒸発させて体を冷却することができる「空調服™」を発案した。

「空調服™」は2005年の発売当初はほとんど売れなかったが、東日本大震災の復興作業に当たっていた人が「空調服™」を着ていたのをきっかけに、性能が一気に知れ渡り、2019年には年間売上57億円を記録。累計450万着の大ヒット商品に。

同社はその後も、マットレスにファンを取り付けた「空調ベッド™」など、熱中症を予防するためのアイテムを生み出し続けている。

ハエ取り紙の減少で女性の必需品が誕生!?

岡山県のハエ取り紙製造メーカー「カモ井加工紙」は、1923年の創業以来、ハエ取り紙のトップシェアを誇ってきた。しかし1960年代に入って、ハエ取り紙の需要が激減。

新商品開発の必要に迫られた同社は、当時成長産業だった自動車の塗装用養生テープの開発を決意する。

良質な和紙を使った養生テープで倒産の危機から脱却した「カモ井」は、その後、建築業界で使用するシーリング剤に適した養生テープの開発にも成功した。

用途によって5色に色分けしていた「カモ井」の養生テープ。すると、養生テープを文具的な用途で使っていた女性グループから、工場を見学したいというメールが届いた。

工事現場で使われる養生テープに「かわいらしさ」を発見した彼女たちの声に押された「カモ井」は、「クレヨンのような色の展開が欲しい」という彼女たちのニーズに応える新商品の開発に着手。

女性が「かわいい」と思う微妙な色加減を追求し続けた結果、生み出されたのは、色とりどりのマスキングテープ。

2008年に立ち上げた「mt」ブランドのマスキングテープは、女性の必携アイテムとなり、会社の経営もV字回復を達成したのだ。

東日本大震災で被災した鶏肉の総合メーカーが生み出した絶品商品

岩手県の企業「アマタケ」は、鶏の飼育から生肉の出荷、加工食品まで手掛ける鶏肉の総合メーカーだ。

「健康になれる鶏肉作り」を目指して抗生物質の使用をやめることを決意した「アマタケ」は、数々の困難を乗り越えて、鶏の飼育環境を整えることに成功。

その後、ジューシーな「白鶏」とうま味成分が多い「赤鶏」をかけ合わせ、臭みがなく身が柔らかい「南部どり」を生み出した。

「南部どり」のヒットで、4つの加工工場と約700人の従業員を抱える大企業に成長した「アマタケ」だったが、2011年、東日本大震災で本社と3つの工場が壊滅状態に。

南部どりの農場は被災を免れたが、停電とエサ不足の影響で飼育が困難になり、親鶏以外の100万羽を殺処分することに。

社長は「社員は泣きながら、自分の手で…」と当時を振り返る。

震災から4ヵ月後、営業を再開した「アマタケ」だったが、風評被害で売り上げが激減。そんな中、創業者が同じ岩手県出身の「モスバーガー」からコラボ商品の提案を受け、「南部どりバーガー」を期間限定で発売すると大ヒット。

その後、経営が軌道に乗り始めた「アマタケ」は、津波の被害を受けて停止していた加工食品の工場を再開することに。

そして、商品の絞り込みと、新たな商品を検討する中で、皮ナシのローストチキンを食べたいというユーザーの声から企画された「サラダチキン」が誕生した。

低カロリーで高タンパクの「サラダチキン」は、チーズ味やレモン味など味のレパートリーを増やし続け、現在では、年間1000万食を売り上げているという。