Black Lives Matter テニス界に一石を投じた大坂なおみ選手と日本の反応

(訳注:原文掲載日は2020年8月31日です)

8月27日、日本人でテニスのスーパースター大坂なおみは、アメリカで開催されたウェスタン・アンド.サザン・オープン・テニス・トーナメントを一時的に棄権をした。それは、ウィスコンシン州ケノーシャでの警官による ジェイコブ・ブレイク 銃撃事件を受けてのことだった。人種差別に反対する大坂の「新たな発言」は、日本で称賛と、予想どうり批判も集めた。

2020年8月23日ウィスコンシン州で起きたジェイコブ・ブレイク銃撃事件は、アメリカで黒人や有色人種に対して歴史的に繰り返された、数多くの警察の暴力の一例 に過ぎないが、全米で大規模な批判や市民の反発を呼び起こしている。

多くのアスリートやスポーツチームがブレイク銃撃に抗議するため山猫スト (訳注:労組を経由せず組合員が独自に行うストライキ)を行った。大坂は8月27日にツイート上で、ウェスタン・サザン・オープン・トーナメントを棄権すると表明し、「白人が大多数のスポーツ(テニス)の中で会話を始めたい」とした。

pic.twitter.com/miKzgSdGxY

— NaomiOsaka大坂なおみ (@naomiosaka) August 27, 2020

大坂の声明を受けて、トーナメント主催者は8月27日木曜日の試合を中止し、8月28日金曜日に 再開すると発表した。その結果、大坂はトーナメントに 復帰する と表明し、Black Lives Matter(黒人の命は大切) Tシャツを着てテニスコートに戻ってきた。

Statement made.

Quite the 48 hours from @naomiosaka pic.twitter.com/0hPzDWLNWC
— US Open Tennis (@usopen) August 28, 2020

声明が出された。
熟考の48時間、大坂なおみより
(画像)「Black Lives Matter」Tシャツを着てテニスコートに戻ってきた大坂なおみ。
@ US Open Tennis

複数の報道機関への声明(訳注:2020年10月27日現在リンク先は閲覧できません) の中で、大坂は次のように述べている。

As you know, I pulled out of the tournament yesterday in support of racial injustice and continued police violence. […] I was (and am) ready and prepared to concede the match to my opponent. However, after my announcement and lengthy consultation with the WTA (Women's Tennis Association) and USTA (United States Tennis Association), I have agreed at their request to play on Friday. They offered to postpone all matches until Friday and in my mind that brings more attention to the movement.

ご存知のように、私は昨日、人種差別や繰り返される警察の暴力への反対を支持してトーナメントを棄権しました。(中略)私は対戦相手に勝利を譲る準備ができていたし、今もそうです。でも棄権表明後、女子テニス協会(WTA)や全米テニス協会(USTA)と長い話し合いをした結果、金曜日にプレイする要請を受け入れました。金曜日まで全ての試合を延期すると提案され、私もその方がより運動に注目が集まると思いました。

世界の女子テニストッププレイヤーとして広く認められている大坂なおみは日本とハイチの両方の血を引く日本市民だが、アメリカで育ちで日本語とクレオール語を話す。二重国籍を認めない日本国籍取得の要件を満たすため、また2018年のオリンピックの日本代表になるためアメリカ国籍を 放棄 した。

テニスコート上での優勝記録とお茶目なネット上のキャラのおかげで、大坂は日本でも人気者だ。しかし、彼女はネットでの人種差別的な攻撃に耐えてきた。それは、一見無害なツイートによる場合もあれば、日本での#Black Lives Matter 運動の関心を高め、支援するためでもある。.

アジアや太平洋の島々との混血の人の呼称「ジャパニーズ・アメリカン・ ハパ」と自ら称する、ある人気Twitterユーザーは、日本国内の大坂に対するいろいろな批判ツイートをまとめ、その投稿が何万回もシェアされている。

大阪なおみさんの試合ボイコットに対する日本語コメントが最悪すぎる。

「やっぱり日本人じゃなかった」
「スポンサーに対して迷惑」
「こんなことしても無駄」
「警察に殺されるようなことをした本人が悪い」

全て拾いきれない。本当に酷い。

— あんな (@annaPHd9pj) August 27, 2020

有名な超保守のコメンテーター山本鉄秀は、世界的なテニスのスーパースターを呼ぶ際に上から目線の呼称「ちゃん」付けまでして、大坂を英語で叱責している。

Naomi Chan, I know what you must feel but I think it’s a totally separate issue. You can freely express your concern by all means but please don’t walk away from tennis court as you are professional tennis player we love.
⁦⁦⁦⁦@naomiosakahttps://t.co/eFJX6FQPbG

— 山岡鉄秀 (@jcn92977110) August 27, 2020

なおみちゃん、あなたの気持ちは分かるけど、これは全く別の問題なんだ。いろいろな方法で自由に意見を表明してもいいけれど、私たちが愛するプロのテニスプレーヤーとしてテニスコートから離れ無いでいただきたい。

しかしながら、大坂を支持する日本人の方が多かった。著名な弁護士で京都市長候補の福山和人もその一人だ。

大坂なおみさん
「私はアスリートである前に、黒人女性です。そして、私がテニスをするのを見てもらうより、もっと大事なことがあると思っています」
おそらく苦渋の選択だったと思う。私は支持する。 https://t.co/LwXxbOitnu

— 福山和人 (@kaz_fukuyama) August 27, 2020

仙台の市議会議員から最大野党の一員となった石垣のりこ議員は、次のようにツイートした。

大坂なおみさんの抗議の意思表示と行動があって、大会が「人種差別や社会的な不公平に抗議するため」として試合を見合わせました。
大会側が彼女の主張に呼応したのだから出場に応じるのは何ら矛盾はありません。
構造的なあらゆる人種差別への抗議に連帯します。https://t.co/A3ew5hcIar

— 石垣のりこ (@norinotes) August 28, 2020

大坂は8月28日金曜日にプレイを再開したが、 膝の故障により再び棄権することになった。

原文 Nevin Thompson 翻訳 Motoko Saito · 原文を見る [en]

この記事 はGlobal Voices 日本語版から配信されています。