宇賀なつみの“飲みぶら旅”が再始動! “知りたい欲”の下、お酒を楽しむ極意とは?

お酒と旅をこよなく愛するフリーアナウンサーの宇賀なつみが、気心の知れた友人と知られざる各地の名産や人情を発見していく“飲みぶら旅”が好評の「宇賀なつみの呑んで歩いて旅をして」(BSフジ)。3月のスタートからおおよそ半年。こういったご時世ということもあって、しばらくは「オンライン呑み編」が続いていたが、この10月31日の放送からめでたく“飲み”に加えて、“旅”が再開!

そこで「11月1日 本格焼酎・泡盛の日」を前に、2週にわたって放送される東京都内、本格焼酎・泡盛旅ロケを1時間後に控えた宇賀を直撃。ロケ再開の喜びとともに、お酒の魅力や付き合い方、旅することの楽しさを聞いた。

──いよいよ“飲みぶら旅”が再開しますが、お気持ちはいかがですか?

「番組がスタートした途端、外を出歩けない状況が続いたので、再開後はペースがつかめるかな…と思っていたのですが、それも含めて自然体といいますか。考えてみればタイトルにある通り、本当に自由に歩いて旅をして、飲み歩くという、普段、私がプライベートでやっていることを、この番組でやらせていただいているので(笑)、久しぶりのロケも変わらず楽しみたいなと思います」

──自粛期間中は「オンライン呑み編」が続いていました。

「それも4月から外出ができなくなって、友達と自宅でオンライン飲みしていたのと、あまり変わらないものをお出ししていただけなので、今年半年間の私のプライベートな流れがそのまま番組になっているという感じですね(笑)。ただ、最初はちょっと不安でした。そんなものが放送に耐えられるのか…? でも実際やってみたら『こっちも面白い』『一緒に飲んでいる気分になれる』と好評をいただいて。それをきっかけに番組を知ってくださった方もいらっしゃると聞きますし、ピンチはチャンス。何でも前向きに挑戦することは大事なんだなと思いました。現場に行かなくても成立させることができたのは、今後この番組をやっていく上での自信にもなりましたね」

──これから向かわれるロケ先は、東京の下町・谷中方面ですが、このあたりになじみは?

「谷根千(文京区から台東区の谷中・根津・千駄木周辺を指す総称)あたりは日曜日のお昼くらいからふらりと出かけて飲み歩いたりしていた大好きな場所なんですけど、今回リサーチしていただいた資料を見たら、知らないお店がたくさんあって。一応、案内役ではありますが、そこに行くのが単純に楽しみで仕方がないです。今日もまた、次なるプライベート旅へのリサーチができればいいなと思っています(笑)」

──案内役を務める上で、心がけていることは何ですか?

「インタビューのお仕事前に、相手に失礼があってはならないから、事前に調べるじゃないですか。でもその答え合わせになってしまうと新鮮な気付きがなくなってしまうから、テレビ朝日に勤めていた時代から、一度調べて全部忘れるようにしたんです。それと同じで、この番組でも事前に打ち合わせをして資料は見ていますが、すぐ忘れるようにしていて。その時々で新鮮なリアクションができるよう、余白を作っておいていろんなことに気付けるようにしたいと思っています」

──BS各局では、居酒屋評論家の太田和彦さんや酒場詩人の吉田類さんらが、長らく牽引されてきた居酒屋探訪番組が多く放送されていますが、参考のためご覧になったりしますか?

「もちろん見ています! 参考のためではないですが、BSならではのよさといいますか。どの番組も出ていらっしゃる方が本当に好きなことを伸び伸びやられていて、それを大人がゆったり見る、その雰囲気が私は大好きで。まさか自分がやらせていただけるとは思ってもいなかったですし。実はタイトルも自分で考えたんですけど、本当に歩くこと、旅すること、飲むことが大好きなので、私と友人たちがワイワイ楽しんでいる様子を一緒にお酒を飲みながらご覧いただければと思います」

──ここ数年は、女性を案内人にした居酒屋探訪番組や女性を主人公にした居酒屋ドラマも賑わいを見せています。お好きな番組はありますか?

「他局ですが、『ワカコ酒』(BSテレ東)が好きで、毎シーズン見ています。主人公のワカコちゃん(武田梨奈)のコメントには毎回、感心しますし。お酒の注文の仕方、肴(さかな)の選び方を見ていて、気が合うな~って(笑)。紹介されたお店にも行ってみたくなりますね」

──「居酒屋さんの“居”は居心地の居」などと言いますが、お店選びをする上で、宇賀さんが大事にされていることは何でしょう?

「旅先で1人、飛び込みでお店に入ったりするんですけど、居心地がいいかどうかは本当に大事で。それは大体“人”なんですよね。お店の方がそういう空間を作ってくださっているか。たくさん話しかけてほしいわけではないんですけど、目配り・気配りをされているとか。ちょうどいいタイミングで声を掛けてくださるとか。あるいは寡黙なんだけれども、ものすごい職人技をお持ちであるとか。私はカウンター派で、職人さんの手際を見たり、ほかのお客さんの会話も肴に楽しみたいので、お店の方、お客さんも含めた居心地を一番、大事にします」

──では、宇賀さんが旅する目的は?

「学生時代から一人旅をしているのですが、“知りたい欲”が強いといいますか、行ったことのない場所を訪ねることが好きなんだと思います。ですから外国なら行ったことのない国を訪ねてみたいし、国内は47都道府県、全部周りましたけど、同じ京都に行くでも知らない街を巡ってみたいし、宿も違うところに泊まりたくて。お酒もそれと同じで、ビールでもいろんな種類を飲んでみたいですし、同じ銘柄だったとしても、どこで誰と、どんな時間にどんな状況で飲むかで全く違う味になるので。そういう初めてのこと、やったことのないことをやってみたい性分なんでしょうね」

──お酒をおいしく飲むために、普段から心がけていることはありますか?

「オンライン飲みの様子がテレビで流れてから、すっかりのん兵衛のイメージが付いていますが(笑)、とりわけ大酒飲みでもないと思うんですよ、お酒が好きな人からすれば。でも、実は週に3日休肝日を作っていますし、仕事で翌朝早い日は控えますし。運転することも好きなので、旅先では飲まない日があっても平気ですし。お酒が大好きで、ずっとおいしくお酒を飲みたいから、そのためのバランスは日頃からとっていますね」

──最後に、お酒好きに究極の選択を。10月31日、11月14日の放送は、焼酎と泡盛を中心とした“飲みぶら旅”の模様をお送りしますが、このお酒しか一生飲めないとしたら、一体何を選びますか?

「うーん…(熟考)、それは究極の質問ですね!(笑)。どうしよう? 人生最後だったらおいしいシャンパンかなと思ったんですけど、ずっとシャンパンも…と思いますし。そうなると、やはり焼酎ですかね。飲み方のバリエーションも豊富ですし、年を重ねるごとに、よりおいしく感じるので。20代の頃は必ずロックでしたが、30代に入って“割る”ということを覚えまして(笑)。もともと芋焼酎が好きだったんですけど、最近はよりくせのない麦焼酎
のソーダ割りにレモンを入れる飲み方が定番になっています。こんなお話をしていたら早く飲みたくなってきました(笑)」

【プロフィール】

宇賀なつみ(うが なつみ)
1986年6月20日生まれ。東京都出身。2009年に立教大学社会学部を卒業し、テレビ朝日入社。入社当日に「報道ステーション」気象キャスターとしてデビュー。その後、同番組のスポーツキャスターとして、トップアスリートへのインタビューやスポーツ中継などを務めた後、「グッド!モーニング」「羽鳥慎一モーニングショー」ほか、情報・バラエティー番組を幅広く担当。19年に同局を退社し、フリーランスとなる。現在、自身初の冠番組「川柳居酒屋なつみ」(テレビ朝日系)や「土曜はナニする!?」(フジテレビ系)のほか、「宇賀なつみの そこ教えて!」(BS朝日)、「テンカイズ」(TBSラジオ)、「SUNDAY’S POST」(TOKYO FM)など、ラジオパーソナリティーにも挑戦中。

【番組情報】

「宇賀なつみの呑んで歩いて旅をして」
BSフジ
10月31日 午後4:00~4:55(前編)/11月14日 午後4:00~4:55(後編)
※再放送は、11月1日 深夜1:30~2:25(前編)/11月15日 深夜1:30~2:25(後編)

取材・文/橋本達典 撮影/蓮尾美智子

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