杏林堂薬局、浜松市のモビリティと医療を連携させたMaaS実証実験に参画

【2020.10.27配信】静岡県浜松市を中心に84店舗のドラッグストアを運営する杏林堂薬局は、浜松市が行う実証実験「春野医療MaaSプロジェクト」に参加する。複数の企業が参画し、移動診療車を活用したオンライン診療やドローンによる薬剤配送が行われる。同社はオンライン服薬指導を担う。「MaaS」とはMobility-as-a-Serviceの略で、モビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念を指す。

浜松市が経済産業省の「地域新MaaS創出推進事業」における先進パイロット地域の一つとして選定され、実施するもの。

中山間地域の春野地区では、高齢者の通院が困難であったり、医師不足などの課題がある。こうした課題に対して、モビリティと医療分野を連携させた実証実験で解決することを目指し、持続可能な地域医療サービスの環境整備を目指す。

浜松市の主導の下、参加企業・団体が連携。春野町にある診療所の患者(10人程度)を対象に、医療機器などを搭載した移動診療車を活用してオンライン診療を実施する。
看護師が移動診療車で患者の自宅付近まで訪問し、車両内のテレビ会議システムを通して医師が遠隔地から患者を診察する仕組み。

また、オンライン診療を実施した患者に対して、オンラインで服薬指導を行うとともに、ドローンや薬局の配送員による薬剤の配送を行う。
診療所の医師が服薬指導を行った場合はドローンによる配送、薬局の薬剤師が服薬指導をした場合は配送員による車両での配送を想定しているという。

実施期間は、2020年10月19日~12月下旬。

実施における代表団体は浜松市(実施主体)。
参加企業・団体は以下の通り。
一般社団法人 磐周医師会(医療関係者などの事務調整)、仁成堂小澤医院(オンライン診療、オンライン服薬指導)、MONET Technologies株式会社(企画・運営、移動診療車および運行システムの提供)、株式会社杏林堂薬局(オンライン服薬指導、薬剤の配送)、トラジェクトリー株式会社(ドローンによる薬剤の配送、それに伴う3D地図の作成)、株式会社博報堂(報告書の作成)、浜松市モビリティサービス推進コンソーシアム(実装に向けたコンソーシアムでの情報共有)。

MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)は、ソフトバンクととトヨタ自動車の共同出資会社で、MaaS(Mobility-as-a-Service=モビリティサービス)に取り組んでいる。

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