新型ヴォクシー徹底予想! 2022年春にいよいよフルモデルチェンジ? ノアとの統合は!?

トヨタのミニバン「ヴォクシー」が、2014年1月のデビューから8年目に突入している。しかし2020年年度販売ランキングで9位に位置するなど、相変わらず根強い人気を維持し続けているが、本来なら今すぐフルモデルチェンジしてもおかしくない時期だ。果たして4代目新型ヴォクシーの登場タイミングはいつになるのか。現行型の分析とともに、新型ヴォクシーの未来図を徹底予想してみた!

トヨタ 4代目新型ヴォクシー・ノア 予想イメージイラスト[2022年発売!?] ※イラストは独自調査によるイメージであり実際と異なる場合があります

デビュー8年目、いつフルモデルチェンジしてもおかしくない

現行型ヴォクシーの誕生は2014年1月

2014年フルモデルチェンジを実施した現行型ヴォクシー。エアロパーツなどが装着されない写真の5ナンバーノーマルグレードは、2020年4月のグレード整理により廃止された。

軽・コンパクトカーやSUVと並び、現在人気の主流となっているのがミニバンカテゴリーだ。3列シートレイアウトで広い室内空間を有し、特にファミリー層から支持を集めている。2020年度(2020年4月~2021年3月)の販売ランキング(※自販連調べ)を見てみると、4位にトヨタ アルファード、w8位にホンダ フリード(一部モデルは2列シート)、そして9位にトヨタ ヴォクシーがランクインした。ちなみにライバルの日産 セレナも12位につけている。

トヨタ ヴォクシーは現行型で3代目。発表は2014年1月だから、デビュー8年目のベテランモデルだ。初代(2001~2007年)、2代目(2007~2014年)ともに、およそ6~7年でフルモデルチェンジを実施していることから、順当にいけば現行型もいつ新しくなってもおかしくはない状況にある。

※自販連(一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)発表「乗用車ブランド通称名別順位」より。軽自動車を除く。

モデル末期にあえて新作TVCMを流すトヨタの戦略

トヨタ ヴォクシー新TVCM 親子デート「母と息子」篇[画像提供:トヨタ自動車]

2020年9月、ヴォクシーのTVCMが放映された。俳優の青木 崇高と優香が夫婦共演した初めての作品ということでも話題を呼んでいるから、目にした方も多いだろう。10月に特別仕様車“煌 III”(きらめき・スリー)を発売するタイミングだったことも大きいはずだが、タレントを起用して大々的にキャンペーンを打つ理由はそればかりではない。

トヨタに限らず、フルモデルチェンジを控えたいわば“モデル末期”の車種であっても、販売のテコ入れを図るためのTVCMを打つことは多い。ただトヨタの場合は、そこに新作の映像を起こすケースが往々にして見られる。

見覚えのある従来のCMを再放映するのではなく新作とすることで、改めて車名を強く想い起させる効果は大きい。しかも現行型の販促に留まらず、次期型登場に向けた種まきの要素も多く含まれていると見て間違いないだろう。

ヴォクシー3兄弟で半期6万台販売の実力! 統合すればミニバンNo.1の巨大銘柄に

2020年5月、トヨタの4つの販売店チャンネルが統合

トヨタは、一部地域を除き全部で4つの販売チャンネルがある。ネッツ店向けにヴォクシー、カローラ店にはカローラシリーズ、トヨペット店にはハリアーといったように、それぞれに専売車種も設けていた。独自性を保つとともに、各店にちらばる兄弟車を競合させることで自社内での販売競争も発生し、それが他社銘柄への流出をも抑制する巧みな構造にもなっていた。

しかしトヨタは2020年5月に、それまで販売チャンネル毎に専用モデルを用意していた体制を変更。全店舗で全車種が扱えるようにした。プリウスやアクア、シエンタなど全店併売のモデルは存在していたが、ネッツ店でも他店専売だったカローラやハリアーが買えるような仕組みとなったのだ。

ヴォクシー、ノア、エスクァイアの3兄弟、販売の内訳は

左はヴォクシー、右はノア

ヴォクシーには、カローラ店専売だったノアと、トヨタ店・トヨペット店向けだったエスクァイアの兄弟車が存在する。それぞれのモデルに特徴があるが、次期モデルで3つが残ることは考えにくく、統合されると見て間違いないだろう。

ミニアルファード風のエスクァイア

2020年度の販売では、ヴォクシーが7万1903台、ノアが4万6755台、エスクァイアが1万9800台を売っている。単一銘柄ではこれまでライバルの日産 セレナ(6万5302台)がカテゴリーNo.1を維持していたが、2020年度はヴォクシーが抜いている。そればかりか、トヨタミニバンの3兄弟を合算すれば約14万台規模になり、ダントツの1位となる。車種統合が実現すれば、2020年度2位のトヨタ ライズ(12万988台)や3位のカローラ(11万2777台)を超え、1位のヤリス(20万2652台)に迫るミニバン界の巨人が誕生しそうだ。

TNGA採用はどうなる!? 3兄弟を統合し2022年春にも発売か、車名はヴォクシーを継承!?

3兄弟の特徴を生かした3タイプ体制

2020年10月時点で、トヨタ ヴォクシーのフルモデルチェンジに関する公式情報は一切ない。ここからは編集部独自に入手した情報を交え、4代目となる新型ヴォクシーについて探ってみよう。

2020年4月改良時、エンブレムがオリジナルからトヨタマークへと変更されているのは意外と知られていない事実

現行型のヴォクシーは、兄弟車中で最もやんちゃな印象。押し出し感のあるデザインが特徴だ。2020年4月末にグレード体系を整理し、エアロパーツを備えたZSグレード系のみに絞られたことで、そのキャラクターが明確にされた。

それに対しノアは、もともとファミリー層を意識した穏健なデザインが特徴だったが、2017年7月のマイナーチェンジで加飾を増やしたことでヴォクシーに近いデザインとなった。2014年に遅れて登場したエスクァイアは、ミニアルファード風の高級感を押し出した内外装を特徴としている。

新型も、これまでの3兄弟に近い3つのキャラ、エアロカスタム系とファミリー系、そして高級系という3つのラインナップが用意される可能性は高いだろう。新型の車名について現段階では不透明だが、TVCMで再認知を図っている状況証拠から、1番人気のヴォクシーの名が継承されると予想する。

セレナのプロパイロットに対抗するにはTNGA化が必須

写真はカローラのハイブリッドシステム

新型ヴォクシーに、トヨタが水平展開を進める「TNGA」(Toyota New Global Architecture:トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のGA-Cプラットフォームが採用されるかどうかは不透明な状況だ。

現在人気のミニバンとはいえ、需要も一巡したうえSUVブームも拡がりをみせており、先行きが読みづらいところがある。

背が高く車体が四角く大きいことから、燃費や走行安定性の面で不利なミニバンだが、低重心で操縦性に優れるGA-Cプラットフォーム採用でネガの改善を図ることが出来るのは確かだ。またライバルの日産 セレナの“プロパイロット”で先行されるADAS(先進運転支援システム)や安全機能の新規採用も、TNGA化したほうが導入しやすい。

しかし旧モデルのキャリーオーバーでモデルチェンジが行われる可能性も現段階では否定出来ない。今後の動向に注目したい。

発売時期は早ければ2022年春頃か

フルモデルチェンジでライバルの「日産 セレナ」を突き放すことが出来るか注目だ!

パワートレインは、現行型同様の2リッターエンジンと1.8リッターハイブリッドのラインナップとなる見込み。現行型の燃費がガソリン13.2km/L、ハイブリッド19.0km/L(WLTCモード燃費)だが、そちらの改善にも期待がかかる。

なお新型ヴォクシーの価格帯については、新プラットフォーム採用や安全装備の機能向上があれば、据え置きとはいかないだろう。しかし激戦区ゆえ、現行型ヴォクシー・ノアの10~15万円高程度、およそ360万円から250万円クラスに抑えてくるものと思われる。

気になる新型ヴォクシーの発売時期について現時点では明確にはなっていないものの、年度末の決算期に今も売れている量販モデルのモデルチェンジを充てることは考えにくい。MOTAではヴォクシーのフルモデルチェンジ時期を、2022年春頃とズバリ予想する!

[筆者:MOTA編集部]

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