新型コロナの持続化給付金 不正受給を指南 県警が容疑の男逮捕

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 新型コロナウイルス感染拡大で所得が減った個人事業主などを支援する「持続化給付金」を巡り、うその申請で国から給付金をだまし取ったとして、群馬県警捜査2課と伊勢崎署は29日、詐欺の疑いで、高崎市大沢町の自称コンサルタント業の男(48)を逮捕した。持続化給付金の不正受給を県警が摘発するのは初めて。県警は複数の人物に申請方法を指南し、不正受給を繰り返した可能性があるとみて調べている。

◎手数料60万円受け取る 容疑を否認

 逮捕容疑は、伊勢崎市の女性会社員(31)らと共謀して7月16日、女性の夫がコロナ禍で所得が減った個人事業主であるかのようにうその書類を作成して申請し、同27日に女性の夫名義の口座に給付金100万円を振り込ませ、だまし取った疑い。

 県警によると、申請に関与したことは認めているが「詐欺とは知らなかった」と容疑を否認している。女性から手数料として60万円を受け取っていた。

 逮捕された男と女性は5月ごろに知人を介して知り合った。女性は男の指示に従って手続きをしたが、不正受給を疑い8月3日に同署へ相談して不正が発覚した。

 女性は任意の事情聴取に「(男の)指示に基づいて申請した」と説明しているという。県警は、男が女性に対して受給手続きを誘導したとみている。他にも不正受給を指南していた可能性もあるとみて、経緯などを詳しく調べている。

◎困っている人「付け込まれやすい」指摘も

 持続化給付金を巡っては、受給資格がないのに、「受給できる」などと持ち掛けられて不正受給に手を染めてしまう個人が増えている。県警には「不正に受給してしまったかもしれない」との相談が29日までに20件以上寄せられている。

 知人やインターネットを介して知り合った「仲介業者」などを名乗る人物が手続きを指南したり代行したりし、受給後に高額の手数料を請求する手口が多い。

 群馬弁護士会消費者問題対策委員会の村越芳美委員長は、コロナ禍でアルバイトなどの収入が減少した主婦や学生など生活に困っている人は「付け込まれやすい」と指摘。支援対象ではないのに「収入が減ったから大丈夫」などと安易に考え、うその申請で不正受給すれば「犯罪に加担したとして罪に問われかねない」と警鐘を鳴らしている。

 《持続化給付金》 新型コロナウイルスの影響で資金繰りに苦しむ中小企業などを政府が支援する制度。1カ月の収入が前年同月比で5割以上落ち込んだ場合、中小企業に最大200万円、フリーランスを含む個人事業主に最大100万円を支給する。一方で不正受給も各地で発生し、逮捕者も出ている。