殿堂入りの名将・ラルーサが現場復帰 古巣のWソックスで監督就任

ホワイトソックスは日本時間10月30日、球団30代目監督であるトニー・ラルーサが同41代目としてチームの新監督に就任することを発表した。現在76歳のラルーサは、カージナルスでワールドシリーズを制した2011年を最後に現場を離れていたが、リック・レンテリア監督を解任したホワイトソックスの新監督候補に浮上。ラルーサが現場復帰を望んでいるかどうかは不透明だったが、10年ぶりの現場復帰が実現することになった。

ラルーサは33年にわたる監督生活でメジャー歴代3位の2728勝をマークし、リーグ優勝を6度、ワールドシリーズ制覇を3度成し遂げている。監督としてのキャリアはホワイトソックスでスタートしており、1979年途中から1986年途中まで監督を務めて522勝510敗、ポストシーズン進出1度という成績。1986年途中に当時のケン・ハーレルソンGMに解任されたが、ジェリー・ラインズドーフ会長はラルーサ解任が失敗だったこと、それを後悔していること、そしてラルーサは兄弟のような存在であることを明らかにしていた。

リック・ハーンGMはレンテリア解任後、「チームの新監督には優勝経験のある人物が望ましい」との考えを語っていた。10年近く現場を離れているラルーサがデータ全盛の現代野球にどこまで適応できるかを疑問視する声もあるが、通算2728勝という実績はそんな批判の声を無力化してしまうほどには圧倒的だ。若手有望株の成長とともに力をつけてきたホワイトソックスを殿堂入りの名将が率いることでどんな化学反応が起こるか注目される。

なお、監督として殿堂入りした人物が現場復帰して再びチームの指揮を執るのは極めて異例。通常、監督を殿堂入りさせる際には完全に引退したかどうかについて慎重に検討が行われるからだ。また、ホワイトソックスで複数の期間にわたって監督を務めるのはニクシー・キャラハン(1903~04年と1912~14年)、ポール・リチャーズ(1951~54年と1976年)、アル・ロペス(1957~65年と1968~69年)に次いでラルーサが4人目となる。

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