アストロズ前監督のヒンチ タイガース新監督の最有力候補に

2003年のレギュラーシーズン最終戦、タイガースがロン・ガーデンハイアー率いるツインズを破ってシーズン120敗を回避したこの試合でタイガースの控え捕手としてベンチに座っていたのがAJ・ヒンチだった。タイガースは現在、ガーデンハイアーの後任となる新監督を探しているが、メジャーリーグ公式サイトのジョン・ポール・モロシによると、ヒンチがその最有力候補となっているようだ。日本時間10月30日にタイガースとヒンチの面談が行われたことが報じられている。

今季終盤にガーデンハイアーが勇退したタイガースは、過去4週間にわたって新監督候補との面談を行ってきた。アル・アビラGMはヒンチが候補の1人であることを明言していたが、ヒンチはアストロズのサイン盗み問題に関連して1年間の職務停止処分を受けていたため、タイガースはヒンチとの面談を行うことができなかった。しかし、ワールドシリーズが終了してヒンチとの交渉が解禁され、面談を行った結果、新監督の最有力候補に浮上したという。

ヒンチはアストロズの監督を務めた5年間で481勝329敗の好成績をマーク。最後の3年間はいずれも101勝以上を記録した。2009年からの2年間はダイヤモンドバックスで監督を務めており、監督7シーズンでの通算成績は570勝452敗。タイガースは再建中だったアストロズを強豪へと変貌させたヒンチの手腕を高く評価し、再建中のチームを強豪へと育てていくプロセスをヒンチに任せたいと考えているようだ。

アビラはサイン盗み問題について「もちろん、それは良いことではない」と語る一方、「彼ら(ヒンチとレッドソックス前監督のアレックス・コーラ)は処分を受けた。処分が終了すれば、彼らは自由にキャリアを続行できる」とも話していた。

なお、ホワイトソックスの新監督がトニー・ラルーサに決まったことにより、監督の座が空席となっているのはタイガースとレッドソックスの2球団だけだが、レッドソックスはコーラの監督復帰が有力視されている。サイン盗み問題により監督の座を追われた両者は、2人揃って来季再びメジャーリーグの舞台で指揮を執ることになるかもしれない。

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