国境の島、自然や歴史満喫 諫早の小野中 修学旅行先の対馬変更 長崎県内初

修学旅行で浅茅湾でのシーカヤックを楽しむ小野中の生徒ら=対馬市美津島町

 新型コロナウイルスの影響で修学旅行先を長崎県内の小中高で初めて対馬市に変更し、28日から2泊3日で来島している諫早市立小野中(矢川豊彦校長)の2年生35人が国境の島ならではの歴史や自然を満喫している。
 同校は当初、京都・奈良を訪れる予定だったが新型コロナの感染拡大を受け、本土から訪れる機会の少ない離島で郷土学習をしようと対馬を行き先に選んだ。対馬市によると、新型コロナ問題で修学旅行先を対馬に変更したのは、県内小中高で初めて。
 初日は厳原町の対馬藩主菩提(ぼだい)寺「万松院」を訪問。歴代藩主の墓所に至る100段以上の石段を息を切らしながら登り、江戸時代の対馬藩が朝鮮外交で果たした役割をガイドから学んだ。29日は美津島町の浅茅湾でシーカヤックに挑戦。波穏やかな海にこぎ出してリアス海岸の景観美を楽しみ、飛鳥時代の防人(さきもり)が守ったと伝わる沿岸の金田城跡の歴史について話を聞いた。
 2年の宮﨑愛音(あいね)さん(14)は「諫早と対馬は同じ県内だけど、対馬についてこれまでほとんど知らなかったことを実感した。浅茅湾の透明感ある海もすてきだった」とほほ笑んだ。
 生徒らは30日、縄文時代に対馬に伝わったとされる「対州(たいしゅう)そば」のそば打ちなどを体験し、帰路に就く。

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