「東京ドラマアウォード2020」で連続ドラマ部門に「いだてん」、単発ドラマ部門は「教場」がグランプリを受賞

2019年7月~20年6月までに放送されたドラマ作品から、世界水準で海外に売れる可能性が高い優秀なテレビドラマを表彰する「東京ドラマアウォード2020」の授賞式が、俳優の石坂浩二、テレビ朝日・武内絵美アナウンサーの司会進行で行われた。

今年で13回目を迎える「東京ドラマアウォード」は、“世界に見せたい日本のドラマ”というコンセプトのもと下、作品の質の高さだけではなく、“市場性”や“商業性”にスポットをあてて表彰される。

今回、作品賞の連続ドラマ部門のグランプリに輝いたのは、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(NHK)。同作で第一部の主演を務めた中村勘九郎が登壇し「こうやってご褒美までいただけ、一生の宝物になった作品だと思うのでうれしいです」と受賞の喜びを述べた。

連続ドラマ部門の優秀賞には「これは経費で落ちません!」(NHK)、「あなたの番です」「俺の話は長い」(ともに日本テレビ系)、「凪のお暇」「恋はつづくよどこまでも」(ともにTBS系)、「病院の治しかた〜ドクター有原の挑戦〜」(テレビ東京系)の6作品が選ばれた。

作品賞の単発ドラマ部門では、木村拓哉が主演を務めた「教場」(フジテレビ系)がグランプリを受賞。木村がビデオメッセージで喜びを伝えた。優秀賞は「ストレンジャー〜上海の芥川龍之介〜」(NHK)、「スイッチ」(テレビ朝日系)、「アメリカに負けなかった男〜バカヤロー総理 吉田茂〜」(テレビ東京系)、「2020年 五月の恋」(WOWOW)がそれぞれ受賞。ローカル・ドラマ賞には「となりのマサラ」(NHK)、「ひまわりっ〜宮崎レジェンド〜」(テレビ宮崎)が選ばれた。

「2020年 五月の恋」の受賞では、ダブル主演を務めた吉田羊と大泉洋が登壇し、制作までの裏話などを披露。本作の発案者でもある吉田が「自粛期間中に世界中がへこんでいる中で、エンターテインメントで皆さまに笑顔になっていただきたいという思いで発案して、20日間でオンエアに漕ぎつけた作品です」と作品に込めた思いを語ると、大泉は電話での会話劇が主体となるため「娘が寝た後に、本当に私が吉田さんに夜中に電話をして練習しました」と明かし、演出もリモートで行われていたため、この場で初めて松永大司監督と対面し「こんなに背が高い人だったとはビックリ! 大きいんだね」と驚き、笑いを誘った。

個人賞の主演男優賞には、生田斗真(「俺の話は長い」)、主演女優賞に黒木華(「凪のお暇」)、助演男優賞に佐藤健(「恋はつづくよどこまでも」)、助演女優賞に伊藤沙莉(「これは経費で落ちません!」)がそれぞれ選ばれた。生田が受賞した「俺の話は長い」は、作品賞の優秀賞、脚本賞と合わせ3冠に輝き、受賞の喜びを述べるとともに「(ニートである主人公の役柄が)素に近いんじゃないかとよく言われました(笑)」と笑顔を見せた。

脚本賞は前述の「俺の話は長い」で金子茂樹氏、演出賞に「グランメゾン東京」(TBS系)の塚原あゆ子氏がそれぞれ受賞。そして、主題歌賞には「恋はつづくよどこまでも」の主題歌「I LOVE…」で、Official髭男dismが選ばれた。海外作品特別賞には「清平楽」(中国)、「愛の不時着」(韓国)、「カルマの檻」(タイ)の各作品が受賞した。

最後に、石坂は「大変につらい時代を過ごしているわけですが、そうした時代の中にあってもなお素晴らしいドラマを作り続けていただくことを、心からお願いしたいと思います」と結び、授賞式を締めくくった。

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