横浜市のセブンにペットボトル回収機 本数に応じ電子マネー

ペットボトル回収機のテープカットをする(左から)永松社長、海野常務理事、林市長=横浜市役所

 海洋プラスチックごみが世界的な問題となる中、横浜市、日本財団、セブンーイレブン・ジャパンの三者は30日から、ペットボトルのリサイクル事業を始めた。市内のセブンイレブン店舗に専用の回収機を設置し、本数に応じて電子マネーを付与。回収した分は全てペットボトルに再生される。市民参加により、循環型社会の構築や海洋ごみの削減を目指す試みだ。

 市などによると、回収機にキャップとラベルをはがして軽くゆすいだペットボトルを投入するとすぐに圧縮する仕組みで、350ミリリットルや500ミリリットルだけでなく2リットル入りにも対応する。

 飲み残しが入ったものや缶は受け付けない作りになっており、5本投入するごとにセブン&アイグループなどで利用できる電子マネー「nanaco」1ポイントが付与されるという。

 同日、市役所1階をはじめ市内23店舗に回収機を設置。本年度中に120店舗への導入を予定しており、回収機の費用は同財団と同社が半分ずつ負担。市は広報、啓発に協力する。

 市役所を訪れた同財団の海野光行常務理事は「そのまま捨ててしまえばただのごみだが、キャップやラベルを外すと資源になる」と強調。同社の永松文彦社長は「産業界全体に広がる第一歩になれば」と期待を込めた。林文子市長は2050年までに脱炭素化を目指す市の取り組みを紹介した上で、「ゼロカーボンに貢献できるよう力を尽くす」と述べた。

 同社は2017年に回収機の設置を開始。今年8月からは藤沢市内でも取り組んでおり、10月30日現在計432店舗で稼働している。政令市では横浜が初めてという。

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