コロナ対策技術実証、ハマスタで始まる 初日観客1万6千人余

大規模イベント再開に向けた技術実証が行われた横浜スタジアム=横浜市中区

 大規模イベントの再開に向けた政府の新型コロナウイルス感染症対策の技術実証が30日、横浜スタジアム(横浜市中区)で始まった。プロ野球・横浜DeNAベイスターズの公式戦を行う11月1日までの3日間、収容人数の50%としていた上限を大幅に緩和。球場内外に最先端機器を設置し、マスク着用率や人の動き、飛沫(ひまつ)の広がり方などをデータ化し、イベント開催のガイドライン策定に役立てる。

 国内初の取り組みで、県や横浜市に加え、IT大手のディー・エヌ・エー(DeNA)などが参加している。球場内に高精細カメラや二酸化炭素(CO2)測定器などを整備。トイレや飲食店の混雑状況をリアルタイムで把握できる。感染者と濃厚接触した可能性を知らせる厚生労働省のスマートフォン向け接触通知アプリ「COCOA(ココア)」の利用率も測定する。

 初日は今季最多の1万6594人が来場し、週末は8割以上に増える見通し。ベイスターズの木村洋太副社長は「お客さまと協力しながらコロナに打ち勝てる生活をつくっていきたい」、横浜スタジアムの藤井謙宗社長は「コロナ禍での新しい観戦スタイルがさまざまなスポーツで広がっていける取り組みにしたい」と意義を語った。

 黒岩祐治知事や西村康稔経済再生担当相らも視察に訪れた。黒岩知事は「官民が連携し最先端の技術を融合させた検証となった。感染拡大防止と経済活動の両立を進めて来年の五輪、必ずや成功に導きたい」と語った。

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