批判覚悟の澤村放出、投手・増田大…「巨人の常識」ぶっ壊した原〝監督兼GM〟 

©株式会社東京スポーツ新聞社

ファンに帽子を振る原監督。今年の采配は誰にもまねできない

【原巨人Ⅴ2】未曽有のコロナ禍。すべてが手探りのなか開幕した今シーズンだが、徹底した危機管理をベースに柔軟な思考、そしてぶれない信念を持つ原監督のもとチームは結束した。

開幕13連勝のプロ野球記録でチームをけん引するエース・菅野。「不動の4番」として初のタイトル争いを演じるまでに成長した主砲・岡本と、「核」となる選手が活躍し続けたことも大きいが、何といっても強力なリーダーシップを発揮した、原監督抜きには語れないシーズンでもあった。

再々延期の末、6月19日に開幕日が決定するも、6月3日に主将の坂本と大城に新型コロナの陽性反応が出たことが判明。早々にかじ取りを迫られた原監督は、理想とする「固定オーダー」にこだわらず、過密日程と選手のコンディションを考え、目まぐるしく打線を組み替える戦いへと転換。時には出番を終えた選手を試合中に帰らせることをいとわず、体のケアと回復に努めさせた。

厳しい環境で過密日程を戦う選手を最優先に、原監督の柔軟な思考は、時として球界の、巨人軍の慣習をもぶっ壊した。さっそく取り入れたのが、連戦を常とするメジャーリーグ流のチームマネジメントだった。

ナイトゲーム翌日のデーゲームや、移動を伴う連戦中の全体練習を撤廃。采配面では主に投手起用に細心の注意を払った。昨年採用した「ブルペンデー」に次ぎ、中継ぎが本職の宮国を先発させる「オープナー」を初採用。立ち上がりに不安のある先発候補の今村をロングリリーフに回した。そして、8月6日の阪神戦(甲子園)では11点ビハインドの場面で、スコア上の現実的観点と投手の酷使を憂慮し野手の増田大を投手起用した。

これは巨人OBをはじめ大きな波紋を呼んだが、指揮官は「ジャイアンツの野球ではやってはいけねえんだとか、そんな小さなことじゃないんだよ。俺たちの役割は」と猛反論。毅然とした姿勢で外野の声を黙らせてみせた。

「原GM」としても手腕を発揮。開幕早々、高梨、ウィーラーと2件のトレードを次々と成立させた。さらには実績十分の澤村をロッテへ。さまざまな背景こそあれ、すべては「活躍できる場を与えてあげたい」という親心、球界に横たわるトレードのネガティブイメージを払拭し、活発な戦力補強を推進したい思いからだ。

球界の盟主、球界最年長監督としての提言も忘れない。「セ・リーグのDH制導入」「FA人的補償の撤廃」だけではなく、補強期限や支配下選手70人枠の廃止も訴えるなど、自身が持つ影響力を生かした、球界改革にも意欲を見せる。まさに〝オピニオンリーダー〟の働きだ。