アストロズ前監督のヒンチ タイガース新監督就任が決定

日本時間10月31日、アストロズ前監督のAJ・ヒンチがタイガースの新監督に就任することが正式に発表された。ヒンチはアストロズのサイン盗み問題で1年間の職務停止処分を受けていた。タイガースが複数の候補者と面談を進めるなかでヒンチが最有力候補に浮上したことが報じられていたが、それから1日足らずのうちに監督就任が正式に決定。ヒンチは現役時代の2003年に控え捕手として1シーズンだけタイガースでプレーしており、18年ぶりの古巣復帰となる。

ドジャースが32年ぶりの世界一を決めたワールドシリーズ第6戦、その最後のアウトから30分が経過したときにヒンチの電話が鳴った。タイガースのアル・アビラGMからの連絡だった。「まだアルの電話番号が残っていたんだ。『もしもし』と電話に出たら『アルだ。AJ、明日飛行機に乗ってほしい』と言われた」とヒンチ。その後、コメリカ・パークで面談が行われ、ワールドシリーズ終了からわずか3日で監督就任が決定した。

ヒンチが在籍した2003年、タイガースは119敗を喫したが、3年後の2006年にはワールドシリーズへ進出。ヒンチには同じようなプロセスを築くことが期待されている。「ファーム組織が充実していることは知っている。近年のドラフトの状況や若手投手の成長具合も把握している。チームはすでにある程度の成長を遂げているし、私は優秀なコーチ陣とともにそれを加速させるのを手助けできると思う。わくわくするよ」とヒンチは意欲を見せる。

アビラは「今回の監督探しのなかで、AJの洞察力や知識、野球への情熱が他の誰にも負けないことはすでにわかっていた」とヒンチの手腕を極めて高く評価している。気になるのはアストロズ時代のサイン盗み問題についてだが、アビラは「面談を行うなかで、彼は明らかに反省していたし、その時間(=職務停止の1年間)を使ってその問題についてしっかり考えていた。それによって彼はより良いリーダーになったと思う」と述べた。

タイガースは今後数年間のうちに再建を終え、ワールドシリーズ制覇を狙える態勢を整えていくと見られている。「AJはデトロイトの街にワールドシリーズ制覇を持ち帰るのに最適な人物だと信じている」というアビラからの期待にヒンチが応えられるか注目だ。

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