玄関リノベーションアイデア集。費用や施工事例を紹介

家の顔ともいえる玄関をリノベーションすることで、家の印象はがらりと変わるものです。この記事では、玄関のリノベーションの方法や費用、おすすめのリノベーションアイデアを紹介します。使い勝手がよく、おしゃれな玄関にしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

玄関のリノベーション方法と費用相場

以下では、玄関のリノベーションにはどのような方法があるのか、それぞれの費用の相場などについても紹介します。

玄関を広くする|40万~100万円

出入口の狭さを解消するためには、玄関を広くするリノベーションを検討することになります。玄関を広くするには、廊下の面積を減らして玄関にするか、部屋の一部を玄関にするか、主にふたつの方法があります。玄関をどの程度拡張するかによって工事の規模が変わり、費用の相場や工期も変わってきます。玄関に隣接する部屋の一部を使って玄関を拡張する場合は、壁や床を作り直す必要があり、間取りの変更など大掛かりな工事になるでしょう。

最近では、玄関に土間部分を広げて開放的な空間を作るスタイルも人気があります。玄関だけでなく、大きな荷物を保管しておくなど、さまざまな目的で機能的に使えると注目されています。

玄関ドアの交換|20万~40万円

玄関のドアを交換する時期として目安になるのは、およそ30年前後だといわれています。ドアの素材や形状によっても異なりますが、サビや色あせなどの劣化がみられるときは改修のサインです。また、30年前の玄関ドアと比べると現在は防犯面や断熱性といった機能面でもアップしているので、30年が経過していなくても、玄関の快適性や安全性などを考慮して交換してもいいかもしれません。

玄関ドアのリノベーション工事にかかる費用は、大きく分けて「新しいドアの本体の値段」「新しいドアの取り付け費」「古いドアの撤去費」。新しいドアのグレードや形状によって幅がありますが、一般的には20万~40万円台が相場と考えていいでしょう。玄関ドアのみの簡単なリフォームであれば、工事は概ね1日程度で完了する場合が多いです。

玄関収納を増やす|15万~45万円

すっきりと片付いた玄関は、それだけで気持ちがいいもの。収納が少ないと靴などの物があふれ雑然とした印象になってしまいます。収納を増やす工事も玄関のリノベーションでは一般的。どれくらいのものが収納できるスペースをつくるのか、増設する収納の規模にもよりますが、いまある収納を撤去して新しいものに交換するよりも、新たに収納を設置するのが費用は安く抑えられることが多いです。

もっとも簡単で一般的なのは、下駄箱を背の高いものにするリノベーション。下駄箱の上などにスペースがある場合は、現在ある収納のさらに上に収納を増設するという方法もあります。

床材の貼り替え|15万~25万円

玄関の床はホコリや汚れがたまりやすい場所。床が傷んだり汚れたりしていると、古びて清潔感のない見た目になってしまいます。床の貼り替えも素材や面積によって異なりますが、費用は概ね15万~25万円が目安。玄関の床には、コンクリートやモルタル、フローリング、タイル、クッションフロア、大理石などの素材が使われます。滑りにくさやお手入れのしやすさ、コストや見た目などからライフスタイルとインテリアに合った素材を選びましょう。

玄関の床の貼り替えはDIYでも可能。100均で購入できるリメイクシートを使った簡単なリフォームなら気軽に試せるのでおすすめです。暗くなりがちな玄関なので、迷ったら明るめの色を選ぶのがポイントです。

照明の取り換え|1万5000~2万5000円

明るく好印象な玄関にするためには、照明の役割が重要になります。明るさだけでなく、イメージを大きく左右するのが照明。さらにおしゃれな空間にしたいなら、間接照明をうまく使うとぐっと雰囲気のある玄関を演出することができます。

玄関リノベーションの注意点

ライフスタイルに合ったリノベーションをすれば、おしゃれで快適な空間に生まれ変わらせることが可能な玄関です。いくつか注意すべき点を把握し、後悔しないリノベーションにしましょう。

マンションの場合、リノベーションできるのは専有部分のみ

新築を購入するのではなく、あえて中古マンションを購入してリノベーションするという選択も増えています。自分好みにデザインできるのが魅力ではありますが、マンションではリノベーションできる範囲に制限があるので要注意。マンションには専有部分と共用部分があり、リノベーションできるのは専有部分のみという決まりがあります。

マンションの玄関でリノベーションできるのは玄関ドアの内側のみ。ポーチやアルコーブといった部分は共用部分。玄関ドアも、内側にシートを貼ったり塗り替えたりすることは可能ですが、玄関ドアそのものを交換することはできません。

詳しくはこちら。
✓【専有部分と共用部分】中古マンションのリノベーション でできること・できないことは何?

冬場の冷えや湿気対策が必要

日当たりが悪く寒い玄関に悩んでいる人もいるかもしれません。玄関は寒さを感じやすく、湿気がたまりやすい場所のひとつ。湿気がたまりやすい場所には結露が起こりやすいので、ドアの劣化などにつながることも。断熱性の高いドアに交換することで結露の発生を防ぐことができ、冷たい空気が室内に入ることも防いでくれます。

できるだけ段差は低めに

将来的に介護が必要になるかもしれない家庭に限らず、バリアフリーのリノベーションは検討に値するポイントです。段差のない玄関は、車いすだけでなく、ベビーカーなどの出入りもしやすいのが特徴。玄関ポーチから室内まで段差のないスロープ、手すりなどを設置するリノベーションで、さまざまな世代の家族が快適に過ごすことが可能に。高齢者が杖をつきながら歩くときや、小さな子どもを連れて歩くときにも安心です。

周囲への配慮を

特にマンションの玄関をリノベーションする際は、周囲への騒音や振動に注意をしておく必要があります。玄関に限りませんが、床の貼り替えなどの場合は特に大きな振動や騒音が発生する可能性があります。両隣や上下の部屋を含め、意外に離れた部屋まで影響が及ぶことも。工事期間や時間に配慮しつつ、事前に挨拶をするなど周囲に配慮してリノベーションをすすめましょう。またマンションの場合、リノベーションを実施する前に管理組合に申請を行い、承認を得ておくことも忘れずに。

玄関土間リノベーションのおすすめアイデア

靴だけでなくキャンプ用品やスポーツグッズなど収納できるシューズインクローゼットがおすすめ

最近では玄関に土間スペースを設けるリノベーションが人気です。土間とは家の中を土足で歩けるように作られた場所で、古い日本家屋では主に台所として使用されてきました。現代では、床にモルタルやコンクリート、タイル、大理石などを使用し、イメージのバリエーションも豊富。屋内と屋外の中間のような場所としてライフスタイルに合わせた多様な使い方を楽しむ人が増えています。工夫次第でさまざまな活用方法があり、注目されている土間スタイルのおすすめの使い方について紹介します。

サイクルホルダーを設置して自転車収納

駐輪スペースが限られているマンションや狭い戸建て住宅では、自転車の保管場所に困ることも。大切な自転車を屋根のある場所で保管したくても玄関に自転車を置くと邪魔になってしまいます。そんなときに便利なのが、壁にサイクルホルダーを設置して自転車を収納するいわゆる“見せる収納”。広い土間スペースがあれば、自転車を楽に室内に持ち込むことができます。自転車と同様に玄関で邪魔になりがちなベビーカーも、土間があればスムーズに子どもの乗り降りができ、荷物が多いときなども安心です。

大容量のシューズインクローゼット

靴が多い人にとって、大容量のシューズインクローゼットは憧れ。靴だけでなく、玄関に置いておくと便利なアイテムの収納スペースとして活用できます。ゴルフなどのスポーツグッズ、アウトドアやキャンプ用品、スキーやスノーボードといった荷物も余裕をもって収納可能です。玄関側からはもちろん、廊下側からも出入りできるような間取りにして、アウターなども収納しておけば、ウオークインクローゼットとしても機能し、動線もスムーズです。

玄関横に洗面台を設置

室内の洗面台とは別に、玄関にコンパクトな洗面台を設置するのも人気のリノベーション。帰宅後すぐに手洗いやうがいなどができることから、小さい子どもがいる家庭はもちろん、来客の際も便利です。手洗い以外にも、ちょっとした汚れを落とすといったシーンでも活躍しそうです。

DIYなどの作業場・趣味の空間に

開放感ある土間スペースをDIYなどの作業場にするというアイデアも。ガーデニングなどを楽しむ場所としても使えます。趣味のものを飾り棚にディスプレイすれば、工房のような雰囲気に。室内と屋外の中間的な位置づけである土間スペースならではのインテリアを楽しむことができ、ライフスタイルの幅が広がりそうです。

ペットのくつろぎスペースに

土間スペースはペットがくつろげるスペースとしても利用できます。屋外の犬小屋では夏は暑すぎるなど心配な場合は、玄関の土間で飼うのがおすすめ。夏場でもひんやりと気持ちのいい土間は、特に犬が快適に過ごせる場所として活躍するはず。

おしゃれな玄関リノベーション事例

狭くて暗い玄関から明るく快適な玄関にリノベーションするには具体的にどうすればよいのでしょうか。おしゃれな玄関リノベーションの実例をみてみましょう。

明るい色で統一されたシンプルな玄関土間

築年数が経過した古いマンション特有の狭い玄関は、拡張するリノベーションがおすすめ。床は明るめの色、壁は白っぽい色にするなど、全体のトーンを統一し、光を少しでも取り込める空間にすると全体の印象がアップします。

植物や小物でおしゃれなインテリアに

グリーンを飾ることでエントランスの第一印象はがらりと変わります。運気が入って来る場所といわれている玄関に置くとよいとされているもののひとつが観葉植物。スペースがない場合は、壁にディスプレイするのがおすすめです。

コンクリート壁紙でセルフリノベーション

ma_to272さんのインスタグラムより

玄関を入ったときにぱっと目に飛び込んでくる印象的な壁紙は、インテリアのレベル感をぐっとアップします。コンクリート風、レンガ調など、一部だけでもポイント的に取り入れるだけでイメージが変わります。壁を張り替えるのが難しい賃貸物件ならリメイクシートでDIYするという方法も。

壁やドアをアンティーク風にペイント

nekotubaki029さんのインスタグラムより

アンティーク風インテリアでテイストを統一したいといった場合は、玄関にも同テイストを取り入れてみては。廊下とナチュラルにつながるような壁やドアにすると統一感が出せるしょう。思い切って好みのデザインにするならペイントするという方法もあります。

上がり框の照明で温かみのある雰囲気に

古くから日本家屋でみられる上がり框。高さや素材、デザインによって印象が変わるものですが、照明をプラスすると一気に奥行きのある空間に。天井の照明にばかり気をくばりがちですが、足元にライトがあることで優しく温かみのある雰囲気になります。

淡い色合いでやわらかい印象に

ホワイトやベージュをいった淡い色あいで統一された玄関なら、帰宅した家族や来客をあたたかく迎えてくれるようなやわらかい印象。木目のあたたかさが感じられるナチュラルな玄関は明るく広々と感じられます。

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