前代未聞『先生を消す方程式。』のフライングドラマに挑む俳優・山田裕貴に魅力を聞く

10月31日より放送される鈴木おさむ氏脚本、田中圭主演ドラマ『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)の本編に隠された謎や真実につながるヒントを、本編よりも先に次々に明かしてしまうという、フライングドラマ『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』が同日の23時35分よりテレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA」で配信された。

フライングドラマには、田中演じる進学校の教師・義澤経男が担任を務めるクラスの副担任・頼田朝日役で出演している俳優の山田裕貴が主役となっている。本編の謎が先に解明されていくという、日本ドラマ史上初となる試みに挑む山田に、同作の魅力や演技について聞いた。

―まず山田さん演じる頼田朝日について教えて下さい

山田:1話を見てもらうと、「もしや朝日が黒幕なんじゃないか?」ということがいきなり明らかになるのですが、あの手この手で生徒を操作する、悪の権化みたいな人だと思っています。フライングドラマの方は色々な話を説明していくんですが、本編と伝えていることが真逆。悪を育てる先生というか、そういう感覚で授業が行われていて、「地上波ではこっち側流せないよね…(笑)」という、それだけよくない教えをしている。

―フランイングドラマでは山田さんが独白する形式になっていますが、セリフ量についての感想は?

山田:舞台だったらわかりますが、(ドラマの台本で)あんなの見たことないですね(笑)。だって20ページ今日の撮影でしゃべってるんですよ? それを一週間前に渡されて…、絶対にできないことをやっています(笑)。

(鈴木)おさむさんも、スピンオフという形じゃなくて、1本のドラマとして作り上げたいんだということで、その思いも受け取り、僕の中では本編8話とフライングドラマ8話の全16話のドラマだと思って挑んでいます。ドラマの形式としてはオリラジ中田(敦彦)さんの「YouTube大学」の超悪バージョンみたいなもので、僕、中田さんの動画大好きで、見といてよかったなと思いました。

―20ページという膨大なページ数の台本をもらったときの第一印象は?

山田:「無理だよ……」って思いました、普通に(笑)。

―その無理だという台本にどのようにして挑んだのでしょうか?

山田:出来ないと思われたくない、ただそれだけ。「山田裕貴ならやってくれそうだな」という。諦めてたくないし、クオリティーも落としたくない。おさむさんの「力貸してね」という言葉もあったりとか。面白くしたいというか「ああ…、ここまでか」と思われたくないんですよね。

―演技の振り幅が本編とフライングドラマでかなり違うと思いますが、今回の役作りで心がけていることはどういった部分ですか?

山田:すっごい緻密です! めちゃめちゃ計算しています。ここのこのカットでどれだけ(本性を)出していいのか。すごいワー! とやっているように見えて、実は頭を使っているのでよりシンドイですね。でも、シンドイときっていい演技が出るんですよ。だからそういうものがにじみ出てたらいいなと思います。

フライングドラマはひとり芝居なので、飽きさせないために、緩急、抑揚、スピードの速い遅いを意識してやっているので、これで面白いなと思ってもらえているなら、僕はみなさんをコントロール出来てるんだと思います。

―アドリブなどはどれくらい入れているのでしょうか?

山田:毎話絶対あると思います。例えば、「疼くな~~~!」ってセリフがあるのですが、頭振ったら人格が変わっているとか。傷が疼くとは書いてあったのですが、頭振るとう指示はありませんでした。すごく難しいことを、やろうと思ってしまったからやっています。印象的なワードというのは意識していますね。

―作品の舞台が学校ということで、山田さんの学生時代の話をお聞かせ下さい。

山田:すごく人に恵まれていたと思います。小中高イジられキャラで、常に盛り上げたい、お笑い要員でしたね。調子に乗って怒られることはありましたが、先生も嫌いな先生というのはいませんでしたね。たぶん僕の性格がよかったんでしょうね(笑)。

―ドラマのタイトルになぞらえて、俳優・山田裕貴の「方程式」とは?

山田;全集中(ネタ元:鬼滅の刃)×領域展開(ネタ元:呪術廻戦)×覇王色の覇気(ネタ元:ワンピース)=山田裕貴(笑)。

本当はカッコイイこと言いたかったですが、愛×魂とか。マジでこの役に全集中している訳ですよ。で、本当に空気を手中に入れる領域展開。そこに覇王のような、こいつやばいぞというオーラを漂わせなきゃいけないという。この作品においての取り組まなければならないこと、方程式はそこかなと。

・本編『先生を消す方程式。』

 

・フライングドラマ『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』

 

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