3年生と練習漬け、先輩と強くなった 県岐阜商選抜確実

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5回表の追加点に歓喜する主将高木翔斗選手(左から2人目)ら県岐阜商ナイン=31日午後1時33分、三重県伊勢市、ダイムスタジアム伊勢

 三重県伊勢市のダイムスタジアム伊勢で31日行われた秋季東海地区高校野球大会準決勝で県岐阜商が勝利し、2年連続の選抜出場を確実にした。選手は"幻の選抜"に続き、夏の甲子園も中止となった3年生への思いと共に戦った。3年生は「後輩たちにはこんな思いはさせたくない」と願い、引退後も毎日、共に汗を流し、連日のように紅白戦の相手をするなど全力サポートしてきた。3年生はこの日、インターネット中継で応援。前主将の佐々木泰さんは「初回の集中打はまさに県岐阜商の野球。ずっと一緒にやってきてよかった」とわが事のように喜んだ。

 「選抜中止の時はまだ、夏があると切り替えられた。でも、夏もなくなった時、何のために野球をしてきたのかという気持ちになった」と佐々木さんは振り返る。この時のオンラインミーティングで3年生の中から声が上がった。「全力で後輩を支える」。佐々木さんやエースの森大河さんら進学組は鍛治舎巧監督の方針で、8月の甲子園交流試合や東邦(愛知)との引退試合後も変わらず後輩と練習を続けた。中でも紅白戦など実戦練習が、後輩を強くした。

 鍛治舎監督が「佐々木はじめ3年の打球は格段に速く、俊足ぞろいでほかの新チームとは大差がある」と評するように、これ以上ない練習相手。今チームは結成当初にエラーからリズムが悪くなる傾向があったが、3年生に鍛えられ、大幅に守備力がアップした。心に余裕もでき、真価を発揮し切れなかった強力打線が東海大会で火を噴いた。森さんと西内勇人さんは武器であるカットボールのこつを、2試合完封で選抜確定に貢献したエース野崎慎裕選手と県大会で1番を背負った松野匠馬選手に伝授。2人は投球の幅を格段に広げた。鍛治舎監督は「好循環型のチームづくり」と3年生の存在に胸を張る。

 「全国でこんな環境で練習できるのはうちだけ。一緒に戦った甲子園交流試合で勝てなかったのも心残り。選抜で日本一になることが一番の恩返し」と現主将の高木翔斗選手は力強く誓う。佐々木さんも「彼らならやってくれるはず」と大きな期待を寄せて今後もサポートを誓う。そのためにもまずは1日、昨秋決勝で敗れた中京大中京(愛知)に雪辱し、東海覇者を目指す。譲り受けた種を来春、満開に咲かせるために、名門の後継者たちの挑戦は続く。コロナ禍でも己を見失わず戦い抜いた先輩たちの思いを胸に...。