感染予防 映画館の安全性アピール 長崎県興行生活衛生同業組合 牛島理事長

「コロナ禍でも映画館が安全な場所であることを知ってほしい」と話す牛島理事長

 新型コロナウイルス感染拡大により今春、県内四つの映画館は一時、相次ぎ休業。現在は感染防止策を講じ全館で営業を再開しているが、公開が延期されている洋画の大作や話題作はいまだ多く、集客に頭を悩ませている。長崎県興行生活衛生同業組合理事長でシネマボックス太陽(佐世保市島地町)の牛島義亮社長(68)にコロナ禍の影響や対策などを聞いた。

 -コロナの影響は。
 シネマボックス太陽では、2月まで集客は好調だった。しかし3月に入り感染が拡大すると、だんだん来場者が減っていった。4月になると激減。そうするうちに政府による緊急事態宣言が発令され、同月18日~5月14日まで休業した。

 -営業再開後は。
 新作の公開延期が相次ぎ、やむをえずリバイバル映画でつないだ。日本映画は東宝など製作会社が自前の劇場を持っているので、新作公開は徐々に増えているが、洋画のメジャーな新作は10月になってもほとんど出てこない状況だ。

 -洋画の新作が公開されないのはなぜ。
 米国の映画館がほとんど閉まっている状態で、公開しても赤字にしかならないから。そうした理由で話題作のディズニー映画「ムーラン」は、映画館での上映が中止となり、配信という形で公開されている。

 -現状は。
 人気アニメ「鬼滅(きめつ)の刃」( やいば )の劇場版が公開されるなど、日本映画が頑張ってくれているおかげで、シネマボックス太陽では少しずつお客さんが戻ってきた感覚がある。しかし、依然として資金繰りが厳しい映画館はあるだろう。

 -感染予防策は。
 来場者にマスク着用をお願いしたり、従業員の体調管理をしたりするなどして予防策を徹底していく。映画館の安全性を広くアピールして、集客につなげたい。

 -展望は。
 映画館には大きなスクリーンで作品を観賞し、ほかの観客と感動を分かち合うという良さがある。今後、感染収束後に公開が延期されている作品が一挙に上映されるのが待ち遠しい。

© 株式会社長崎新聞社