「流れ持って行かれた」沖尚が初戦敗退…14残塁、らしくないミス 高校野球九州秋季大会

 来春の選抜高校野球大会の出場校選考で重要な資料となる秋季九州大会(第147回九州地区大会)は31日、長崎県営野球場(長崎ビッグNスタジアム)などで開幕した。県代表の沖縄尚学(沖縄1位)は1回戦で延岡学園(宮崎2位)と対戦。延長十二回に及ぶ激戦の末、5―6でサヨナラ負けした。中盤まで主導権を握った沖尚だったが、九回裏に追いつかれ、その後は打線がつながらず、好機を生かすことができなかった。第2日の11月1日、第2試合(午後0時半開始予定)の1回戦で、九州初出場の具志川商(沖縄2位)が東海大熊本星翔(熊本1位)と対戦する。

残塁14、好機手放す

 2年連続出場の沖縄尚学だが、九州の舞台に翻弄(ほんろう)されたように見えた。突き放してもなお点差を詰めて粘る延岡学園に「圧倒され流れを持っていかれた」(仲宗根皐主将)。

 初のエースナンバーを背負う後間翔瑚が打ってもみせて先制。八回には長濱諒のダメ押しの2点適時打など順調に得点を重ねた。だが、最終盤は相手エースの変化球に惑わされ快音は響かせられず。三塁まで進めた好機もものにすることはできなかった。11安打の一方で、残塁は14。結果に比嘉公也監督は「(攻守とも)課題だらけ」と語る。

 攻撃のサインミスや捕球ミスなど県大会ではなかったような小さなエラーが続くという、沖尚“らしくない”面もあった。

 昨年の九州大会でベンチ入りした仲宗根主将は「一つのミスが県外では失点につながる」と唇を固く結ぶ。昨年、選抜出場の目安となる4強入りを目前で逃した悔しさもあり「先輩たちの借りを返すつもりで挑んだが、まだまだ準備不足」と顔をしかめた。選手権大会につながる来夏の県大会に向け「この冬鍛えて、夏こそ絶対に甲子園に行く」。気持ちを新たに冬を迎える。

(上江洲真梨子)

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